宇宙航空研究開発機構(JAXA)は6月22日、2011年に地球に帰還した探査機「はやぶさ」が小惑星「イトカワ」から回収した微粒子を分析し、微粒子表面に4種類の模様が刻まれていることが分かったと発表した。40億年以上前、大きな天体だったイトカワが、どのように小さくなっていったかを探り、小惑星の成り立ちの解明につながると示唆している。
イトカワは約40億年前、現在の40倍ほどの大きさの天体(イトカワ母天体)がバラバラに壊れ、その破片が集まってできたと考えられている。
研究チームがイトカワの微粒子を電子顕微鏡などで観察したところ、表面に少なくとも4種類の模様を確認。その中には、イトカワ母天体の一部だった頃、内部が高温になったり、壊れたりしてできた痕跡が見つかったという。太陽風に長時間さらされてできた模様や、粒子同士がこすれて摩耗した模様なども刻まれており、それぞれが1000〜100万年かけて作られているという。
微粒子の表面を観察することが小惑星の成り立ちを解明する手掛かりになることが分かった。粒子を傷つけることなく多くの情報を得られるため、今後、地球外物質の分析手法として重要な手法になると期待されるという。
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