自動運転技術を手掛ける米新興企業nuTonomyは8月25日(現地時間)、シンガポールで世界初の自動運転タクシーの公開実験を開始したと発表した。
米Uberが18日、米ペンシルベニア州ピッツバーグで自動運転車による配車サービスのテストを開始すると報じられたが、公道での公開実験はnuTonomyの方が一足先になった。
公開実験では、招待したシンガポールの一般市民がアプリを使って自動運転タクシー(ロボタクシー)を呼び出し、目的地まで利用できる。実験中は無料だ。走行するのはシンガポールのビジネス中心部、ワンノース。nuTonomyは4月から同地区で実験走行を実施してきた。
車両は三菱のi-MiEVとRenault Zoe(いずれも電気自動車)で、自律走行が可能だが、運転席にはnuTonomyのエンジニアが乗車してシステムを観察し、制御の責任を担う。
この公開実験でアプリの性能や乗車体験などに関するデータを収集してソフトウェアを改善し、2018年にはシンガポールでの商用ロボタクシーサービスを立ち上げる計画だ。
nuTonomyは、米マサチューセッツ工科大学(MIT)のロボット工学の教授、カール・アイアグネマCEOおよびエミリオ・フラゾーリCTO(最高技術責任者)が2013年に立ち上げた非公開企業。今年5月には1600万ドルのシリーズA増資を実施し、韓国Samsung Electronicsの投資部門などが出資した。
同社はシンガポールの交通関連行政機関である陸上交通庁(LTA)からR&D(研究開発)パートナーに指定されている。
シンガポールだけでなく、米ミシガン州と英国でも、Jaguar Land Roverなどの自動車メーカーと協力してソフトウェアを開発し、車両のテストを実施している。
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