ある生徒(高3)の場合、入塾直後の4月時点でセンター試験の過去問を解かせると、英語が200点中35点、数学1Aが100点中24点と「選択式(四択)の問題なのに、全問をでたらめに回答した場合の平均点よりも得点が低い」という状況だった。だが5月の模試では、英語は141点、数学1Aは77点までアップしたという。
「東大入試はセンター試験の結果よりも、2次試験の点数を重視するので、その対策をメインに指導している。センター試験の点数を上げるための勉強をさせたわけではなく、基礎からやり直しただけだが、ここまで成績が上がった」(川上社長)
よほど厳しい指導をしているかと思いきや、「あくまで自由を束縛することはしていない」という。スマートフォンやPC、ゲーム機の持ち込みも禁止していない。
ただ、スマホなどに熱中しすぎたり、昼夜が逆転したりして、寮の部屋から学習スペースに出て来れず“不登校”になってしまう生徒もいるという。「どの生徒も一発逆転を狙って東大を目指しているが、入塾前からのスマホ依存などのくせが治らず、塾に来られなくなるケースもある。その場合は本人と話し合った上で、スマホやゲーム機を預かっている」。
「受験勉強の進ちょく管理も大切だが、今の時代にスパルタ的な指導をしても生徒がくじけるだけ。坪田塾のトップレベルの先生たちが張り付いて生徒たちの精神面を支えている」。そのかいあってか、生徒たちも真面目に取り組み、成績が上がることに楽しさを感じたり、5人の中で連帯感が生まれたりしているという。
入塾希望者は予想以上に少なかったが、成績が上がっていることから「取り組みは間違っていなかった」と川上社長は話す。「東大受験の合格難易度は、(慶応大に合格した)ビリギャルどころではなく、まだ可能性は0%に近い。ただ、ひょっとしたらという手応えがある。成功するかどうかはまだ分からない。ドラマだ」。
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