「人工知能は、黒魔術の影響が強くなっている」――“最強将棋ソフト”Ponanza開発者が語る
「人工知能の分野では、だんだんと黒魔術の影響力が強くなってきています」――“最強将棋ソフト”「Ponanza」を開発した山本一成さん(愛知学院大学特任准教授)が、NHKの番組「視点・論点」で語ったこんな話が、NHKの公式サイトに掲載され、注目を集めている。
記事によると、10年前、山本さんが「Ponanza」を作った当時は、アマ5段の山本さんが8枚落ちのハンデを付けても勝ってしまうほど「とても弱い将棋プログラム」だったが、わずか10年で名人に勝つまでに成長した。
Ponanzaに限らず、人工知能が飛躍的に成長する中で「人工知能の性能を上げるほど、なぜ性能が上がったのかを説明できなくなっている」という「少し困った状況」が起きていると、山本さんは話す。人工知能研究の分野では、「どうやって生まれたのか、あるいはなぜ効果が出るのかわからない技術の総称」として、「黒魔術」という言葉がスラングとして定着しているという。
Ponanzaも、自分で開発したプログラムながら「理論や理屈だけではわからない部分が沢山でてきている」と告白。Ponanzaの改良作業も「真っ暗闇のなか、勘を頼りに作業しているのとほとんど変わりがない」状態で、「たまたまうまくいった改良を集める結果から、私から見るとPonanzaはますます黒魔術化しているようにみえる」と話している。
科学は「物事を分解し、細部の構造を理解していけば、全体を理解できる」という考え方、「還元主義」でできているが、人工知能は「還元主義とは相容れない」と指摘。「結局、知能というのは隠された方程式があって、それを解き明かすのではなく、どこまで行ってもモヤモヤしたよくわからないものであることを受け入れるしかない――それが今の人工知能の研究者たち・エンジニア達の実感」だと話している。
全文はWebサイトから、番組の動画は、NHKオンデマンドで視聴できる(動画は有料)。
修正履歴
初出時、『「黒魔術」という言葉が世界的に使われているという』と記載していましたが、『「黒魔術」という言葉がスラングとして定着しているという』に修正しました。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
GMO不正アクセス、犯人側は「27日に顧客のPC攻撃」予告 GMOが端末回収、ホワイトハッカーが解析中
-
2
「楽天トラベル」に不正アクセス 顧客情報最大約260万件など流出か 予約者約3.6万件のクレカ情報も
-
3
GMO、PCのバックアップと電源オフ呼びかけ VPS利用者に きょう正午の攻撃予告受け
-
4
NECのルータ「Aterm」、PHP脆弱性の影響なし 設定画面URLの「.php」は無関係
-
5
Apple、「iPad mini」を大幅刷新 8.5インチOLEDとA20 Pro搭載、防水にも対応 11万9800円から
-
6
GMO熊谷代表「社内ホワイトハッカーが事前に指摘」も対策遅れ、国に「能動的サイバー防御」要請 「責任転嫁では」SNSで批判も
-
7
「年齢は合ってますが、人間ではありません」 6歳の飼い猫に届いた“進研ゼミの案内” なぜ届いたのかベネッセに聞いた
-
8
Google、プライバシーポリシーに「Gmail」「Googleフォト」のデータを広告に使う例外を追加 回避方法は
-
9
「5年でバッテリーが使い物にならなくなる」は本当か テスラ「モデル3」5年目点検で分かったこと
-
10
「若手はAI使うな」は“老害”なのか? 新人教育で「AI禁止」した企業の1年後
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR