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暮らしを変える「ブロックチェーン」

「VALU」やめました やめるのは、とても大変でした(3/6 ページ)

» 2017年08月04日 09時50分 公開
[岡田有花ITmedia]

 まず、筆者のVALUがこれ以上売れてしまうことを防ぐため、4995VAの売り注文を取り消した。

 次は、買い戻しだ。幸いなことに、筆者のVALUを購入した人はまだ3人。価格も発行時のままで止まっている。しかも、1VAは、発行価格(0.05641BTC・約1700円)のまま売りに出ていた。筆者のVALU上の“おサイフ”には、VALUを売ったときに入ったビットコインが丸ごと残っていたので、これを使ってまず、売りに出ていた1VAを買い戻した。

 残りは4VA。2VAずつ、2人の方が買ってくれている。うち2VAを持っている方はTwitterアカウントを明かしていたので、Twitterで直接、「発行価格で売りに出してもらえないか」と話しかけたところ、すぐに売り注文を出してくれ、買い戻せた。ありがたい。

 残りは2VAだが、VALUerが匿名になっている(当時、保有VALUを匿名化できる機能があった。現在は廃止されている)。直接連絡を取る手段がないため、筆者のVALUのプロフィールを書き換え、売ってもらうよう訴えることにした。名前欄に「VALUやめます」と追記し、「もうやめようと思っているのでみなさまどうか取引しないでください・・・発行済みVALUは発行価格で買い戻したいので、買い注文に対応した売りを出してもらえますでしょうか」と書いた。VALUのつぶやき機能にも、同様な投稿をした。

画像 「VALUやめます」と宣言した筆者のプロフィール

 すると、1VAを売りに出してもらえたので、買い戻した。しばらく待つと、最後の1VAも売りに出た。

 だが、ここで「お金」が足りなくなった。最後の1VAを買おうとすると、「利用可能なBTCが足りません」とエラーが出る。0.003046BTC、日本円にして1000円弱、足りなかった。

画像 エラーが出た

 VALUの売り上げは1円も引き出していない。売ったVALUをすべて、元の価格で買い戻しているだけなのに、なぜ、足りないのか――答えは、手数料だ。自分で発行したVALUの売却時には発行価格の10%、購入時には1%の手数料がかかる。筆者が5VAを売却した際に約850円の手数料がかかっており、買い戻し時にも85円程度取られているので、買い戻すにも手数料分、1000円近く足りないのだ。

画像 VALUの売買で、手数料が引かれる

 その分は自分の財布から出すしかない。VALUの通貨はビットコインのみなので、ビットコインを使って最後の1VA買い戻す必要がある。筆者はビットコインを持っていないし、口座もなかったが、「買おう」と決意した。それ以外に方法はない。

 この後、ビットコインを購入・送金できるようになるまでが、さらに大変だった。

ビットコイン購入に四苦八苦

 ビットコインを買うにはまず、取引サイトに口座を作る必要がある。数ある取引サイトから、筆者は「bitflyer」を選んだ。「大手で、手数料が安い」と聞いたためだ。

画像 bitflyerは取引所大手だ

 SNSアカウントでbitflyerに登録する――までは簡単だったが、取引するには本人確認が必要。免許証など本人確認書類の画像をアップロードし、承認を受ける。これでようやく取引が可能になる……かと思いきや、まだハードルが。「本人確認書類」を郵送で受け取らないと、取引はできないらしい。書類が届いたのは2日後だった。

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