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» 2017年12月01日 09時00分 公開

「昔のニコ動に戻りたい」は叶わぬ夢か 運営とユーザー“温度差”のワケ (3/5)

[村上万純,ITmedia]

「画質、重さの改善」後手に 従来ユーザーの怒り・失望

 今回発表された「く」は、現バージョン「GINZA」から約4年ぶりとなる大型リニューアルとあり、ユーザーの期待も高かったようだ。4月の発表でも、サーバ、画質、遅延などの問題を解決すると案内。これら諸問題の改善は、従来の熱心なユーザーが熱望していたことの1つだった。しかし、28日の発表会では、(1)「く」のリリースが当初の10月から翌年2月28日に延期されること、(2)画質や遅延の問題はまだ解決していないこと、が川上会長から明かされ、生放送内や会場のスクリーンには「は?」「プレ垢やめるわ」(プレミアム会員のこと)などコメントが流れ、荒れに荒れた。

 niconicoの「画質と重さ」の問題については以前からユーザーが指摘しており、川上会長も「大変な問題だと思っている」と重く受け止める。niconico側も、4月から「iOS/Androidアプリでの高画質、低遅延視聴に対応」「2Mbps生放送配信に対応」など順次改善をしてきたが、ユーザーが期待していたレベルには到達していなかったようだ。川上会長は「半年かけて順次解決する」と話し、栗田穣崇取締役はTwitterで「遅くとも12/3までに画質の改善施策について何らかの発表をすることはお約束します」とツイートした(11月30日に公開された改善施策については後述)。

サーバ周り これまでもサーバ周りを強化してきた

 「運営はユーザーのことが分かっていない」「上層部はもっとコメを見た方がいい」――そんな趣旨のコメントやツイートもあったが、少なくともユーザーの声が運営に届いていないということはないだろう。その証拠として、発表会で真っ先に説明されたのが「画質と重さ」に関する問題だったからだ。しかし、サーバ周りのインフラ強化はコストや人材面など複合的な問題もあり、すぐに解決するのが難しい。

 結果、対応が後手になり、ユーザーが満足できる回答を用意できなかった。動画の読み込みが早くなったり、低画質モードを回避できるなどの特典が受けられるのがプレミアム会員のメリット。“お布施”や“恩返し”として課金するユーザーもいるが、有料会員である意味が希薄になっていることに憤りを感じるユーザーが出てくるのも仕方のないことだろう。

 次いで、フラストレーションがたまる従来のユーザーへ火に油を注ぐように発表されたのが、新ユーザーインタフェース「nicocas」(ニコキャス)だ。双方向性を重視する新しい動画・生放送サービスだが、生放送の画面では「いらん」「しょうもねえ」「これは草」など辛らつなコメントが並ぶ。現場ではここからユーザーと運営の温度差が決定的になったという印象だが、この温度差の原因は何か。

ニコキャス 新UI「nicocas」

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