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大学発ベンチャーの1割は東大から

» 2018年02月26日 14時46分 公開
[太田智美ITmedia]

 帝国データバンクは2月23日、「大学発ベンチャー企業の経営実態調査(2018年)」を公開した。調査は、2018年2月時点で判明した大学発ベンチャー企業1002社。13年の調査開始以降初めて1000社を突破し、創出大学別にみると東京大学の108社が最多。10社に1社が東大発という結果となった。


帝国データバンク調査

 東大に続く2位は「京都大学」(52社)、3位は「東北大学」(51社)で、指定国立大学が上位を占めた。私立大学では「慶應義塾大学」(32社)でトップ、以下「早稲田大学」(18社)、「東海大学」(16社)と続く。公立大学では「会津大学」(13社)や「大阪府立大学」(11社)などが上位を占めた。

 都道府県別でみると、本社所在地で最も多かったのは「東京都」(260社)。しかし、東京都や大阪府の2大都市圏は前回調査から構成比が減少している。一方、「福岡県」や「北海道」などで増加した。


帝国データバンク調査

 業種別にみると、最も多かったのはロボットや人工知能(AI)、ソフトウェアの開発や、医療・ヘルスケアなどの分野を含む「サービス業」。全508社で、構成比は全体の50.7%を占めた。


帝国データバンク調査

 売上高は、過去10年間で最高となる合計2327億1900万円(前年比14.2%増)。2007年から2倍超の規模となった。また黒字化までの期間は、平均で5.1年。設立後2年目に黒字化した企業が最も多く19.1%、次いで多かったのは3年目(18.6%)となり、設立後3年以内に黒字化を果たす企業が約4割を占めた。一方、設立後10年超を経過して初めて黒字化する企業も7.7%あった。

 2017年の「倒産」は9件、「休廃業・解散」は12件判明。単年では最多の14年に次ぐ高水準を記録した。負債総額は72億4100万円と、2000年以降最大。過去5年間の倒産要因をみると、最も多かったのは「マーケティングの失敗」。事業環境の急変などにより、事業が軌道に乗らなかった倒産が多数を占める。帝国データバンクは「研究段階から実用段階へ移行する『死の谷』の時期におけるリスクマネー供給を担う金融機関や支援企業の存在がますます重要になる」と分析している。


帝国データバンク調査

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太田智美

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