開発がラクになったのは、ここ数年でWebサービス基盤やフレームワークなどが急激に整備されたためだ。漫画ビレッジの開発には、「Google Cloud Platform」や「Cloud Firestore」を活用。FireStoreはWebAPIとデータベース、ロードバランサが一体化されているためバックエンドを意識せずに開発でき、とても便利だったという。「フロントだけ設計すれば、バックエンドエンジニアがいなくても、パズルのようにサービスが作れる時代になった」
当初は月間100万ページビュー(PV)あれば御の字と思っていたが、想定以上にアクセスが集まり、現在は月間500〜800万PVペースで利用されているという。25〜34歳のユーザーが多く、男女比は7:3ほどだ。
予想以上に利用されている分コストもかかっており、サーバやCDN、検索サービスなどに月間10万円以上を支払っている。個人の持ち出しで続けるのは厳しいと判断し、6月上旬からサイトにAdSense広告を入れたところ、「経費は広告でペイできそう」な見通しだ。今後はSEO強化に加え、使い勝手の改善、対応漫画アプリ・サービスの増強などを行っていきたいという。
漫画ビレッジに掲載されているのは正規に無料提供されている漫画とはいえ、配信元から見ると、自社サービスではない導線から読者が入り込むことになる。それが歓迎されるか分からず、「出版社やアプリ運営元から否定的な声が出るかもしれない」と覚悟はしていた。だが実際にオープンしてみると、出版社やアプリ提供側からも好意的な反応が届いているという。
例えば、小学館の漫画アプリ「サンデーうぇぶり」からは、「是非漫画ビレッジに載せてほしい」という連絡があり、担当者に会ったところ大歓迎を受けたという。一方、「漫画ビレッジへの掲載をやめてほしい」という連絡はまだ1件もないそうだ。
遠山さんは出版社やアプリ提供元と積極的に連携したいと考えており、意見や要望があれば是非連絡してほしいと話している。
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