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ファーストサーバ、「Zenlogic」不具合の報告書公開 再発防止策も強化へ復旧後は安定稼働続く

» 2018年07月17日 13時36分 公開
[ITmedia]

 ソフトバンク傘下のファーストサーバは7月17日、レンタルサーバ「Zenlogic」のサービスを6月中旬〜7月上旬にかけて停止していた問題について、原因と再発防止策をまとめた報告書を公表した。インフラを提供するヤフーが改めて調査した結果、ストレージシステムに高負荷が発生したことや、一部ネットワーク設定が不適切だったことが不具合の原因だったと確定したという。

photo 報告書を公式サイトで公開した

 Zenlogicは、ヤフーのインフラを活用したクラウド型レンタルサーバ。中小企業や官公庁など約2万社が利用している。

 だが、「想定を超える負荷が生じた」ため6月19日午前9時ごろから7月9日午後11時ごろにかけて不安定となり、メールの送受信、Webサイトの閲覧、サーバへのファイル転送、コントロールパネルの利用――などができない障害が発生。外部ネットワークとの接続を遮断して緊急メンテナンスを実施し、7月9日深夜に復旧していた。

 報告書によると、システムへの負荷を緩和するためにトラフィック制限を実施したが、その設定が不適切だったためシステム全体の処理速度が大幅に低下したという。また、複数回にわたってストレージシステムを増強したり、設定値を変更したりといった処置を行ったが、かえって大量のデータ移動が発生する結果となり、想定よりも高負荷状態が長期化したとしている。

 ファーストサーバは再発防止に向け、ヤフーと協力してシステムの監視を強化し、高負荷に速やかに対応できる体制を整備したという。ネットワークの負荷が高くなった場合にトラフィックを制限するプログラムも改善済みで、不適切な設定があった場合は処理を実行しないよう変更したとしている。

 ファーストサーバは不具合の復旧後、改善策を実施しつつ状況を注視していたが、「その後も安定稼働が継続しているため、今回の報告書公表をもって復旧確認を完了した」としている。

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