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» 2018年07月20日 06時00分 公開

「とりあえずAI」は危険 人工知能で成功する企業、失敗する企業 (1/3)

コンサルティング企業YCP Japanの伊藤聞多ディレクターが、日本企業のAI導入の実態を語った。成功する企業には共通点があるという。

[村上万純,ITmedia]

 「企業のAI導入への関心はここ1年ほどで急速に高まっているが、まだまだ課題も多い」――コンサルティングサービスを展開するYCP Japan(東京都港区)の伊藤聞多ディレクターは、こう話す。

 会社の規模から業種までさまざまな企業のAI(人工知能)導入をサポートする中で、日本企業が抱える課題や、AI導入に成功する企業の共通点などが見えてきたという。

 同社は、AI専門のコンサルティングサービス「New Tech Focus」を5月に開始。AIを導入したい企業の課題を聞き、利用するAIサービスの選定から効果測定まで総合的にサポートしている。

AI YCP JapanのAI専門のコンサルティングサービス「New Tech Focus」の概要

 企業がAIを導入するきっかけ、実際の導入プロセス、そこから生じる問題、AI導入に成功する企業の共通点などを聞いた。

なぜAIを導入するのか

 伊藤さんによると、日本企業のAI導入の支援依頼には、以下の事例が多いという。

  1. AIを使った新規事業の創出(メーカーやIT系など業界問わず)
  2. 検品作業の省力自動化や機器故障予測(製造業の生産性向上)
  3. チャットbotなどによるコミュニケーションの自動化(コールセンターの省人化)
伊藤さん YCP Japan(東京都港区)の伊藤聞多ディレクター

 検品作業の自動化やチャットbotの導入などは多くの事例があるが、新規事業の創出については前例がないため難易度は高いとしている。

 基本的に社長や役員などからの相談が多く、製造業の検品作業などの一部現場をのぞき、トップダウンでAI導入を進めるのが主流という。その他、IT担当、経営企画担当、総務担当など、AIを使う部門でキーマンは変わってくる。

 AI導入にあたり、まずは企業が抱える課題が何で、どこでAIを活用できるかをヒアリングしながら確認していく。そこが明確になったら、AIツールの選定や運用、効果検証へ進んでいくのだが、このスタート段階でつまずく企業も少なくないそうだ。

 伊藤さんは「とりあえずAIを導入したいという声も多いが、導入後のビジョンをきっちり描けないと負の連鎖になっていく」と話す。また、AI活用に不可欠なデータについても、「中小企業はデータ量が足りないことが多い。十分なデータを蓄積する大企業でも、データを社外に出したくないという意識が強いと難しい」と続けた。

 「この課題を解決するなら、AIである必要はないのでは?」と思うことも少なくないという。「特にデータ分析やRPA(Robotic Process Automation、ソフトウェアロボットによるホワイトカラー業務の自動化)の分野が多い。データ集計やビジネスツールの自動分析などは、Excelマクロを使うことで解決できることがある」(伊藤さん)

 次に、実際の導入について。成功する企業は共通点があるという。

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