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» 2018年09月25日 09時14分 公開

はやぶさ2のローバ、リュウグウ着地に成功 ホップで移動・撮影 「世界初の快挙」

探査機「はやぶさ2」に搭載した小型ローバ「MINERVA-II1」が小惑星リュウグウの表面に着地。ホッピング機構によってリュウグウ表面を移動していることも確認した。「小惑星表面で移動探査をした世界初の人工物になった」

[ITmedia]

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は9月22日、探査機「はやぶさ2」に搭載した小型ローバ「MINERVA-II1」(ミネルバ・ツー・ワン)が、小惑星リュウグウの表面に着地したことを確認したと発表した。ローバから送られてきた写真やデータにより、ローバがリュウグウ表面を移動していることも確認。「小惑星表面で移動探査をした世界初の人工物になった」としている。

画像 はやぶさ2から分離直後の9月21日午後1時8分(日本時間)ごろ、Rover-1Aがはやぶさ2(上)とリュウグウ表面(下)を撮影した。ローバが回転している状態で撮影しているので画像がぶれている (C)JAXA
画像 21日午後1時7分ごろ、Rover-1Bが撮影が撮影したカラー画像。右下にリュウグウ表面が映っている。左上の薄くモヤがかかっている部分は撮影時の太陽光の写り込みによるもの
画像 22日午前11時44分ごろ、Rover-1Aがリュウグウ表面で移動中(ホップ中)に撮影したカラー画像。左側半分がリュウグウの表面。右側の白い部分は太陽光によるもの
画像 MINERVA-II1。左がRover-1A、右がRover-1B。奥はローバを格納するカバー

 MINERVA-II1は、「Rover-1A」「Rover-1B」という2機のローバで構成。内蔵モーターにより、機体そのものが飛び跳ねることで自律的に移動するホッピング機構を搭載しており、リュウグウの表面を自律的に移動し、複数の地点を探査できる。Rover-1Aには4台、Rover-1Bには3台のカメラを搭載しているほか、温度センサー、光センサー、ジャイロ、加速度計などを内蔵している。

 リュウグウに着地した2機のローバは正常な状態で、撮影した写真や各種データを送ってきている。データを解析した結果、ローバがリュウグウ表面を移動していることも分かった。撮影された画像の一部は、ローバが回転しているためにぶれているが、「はやぶさ2」本体や太陽電池のパドルなどをとらえている。

 2機は小惑星表面に降りた世界初のローバとなり、また、小惑星表面で自律的に移動したこと、写真撮影をしたことも世界初。加えて、2機同時に動作させるという「快挙」になったとしている。

 はやぶさ2プロジェクトマネージャの津田雄一さんは「世界初の小惑星表面での移動探査活動を実現できたことは、嬉しいの一言に尽きる」、ミッションマネージャの吉川真さんは「13年前の『はやぶさ』のときに達成することができなかった小惑星表面での小型ローバの移動探査が成功して感無量」、MINERVA-II1担当の吉光徹雄さんは「小惑星表面でのホップ中の画像が届いたときには、小天体での移動メカニズムの有効性を確認することができ、長年の研究成果が実を結んだことを実感した」などとコメントを寄せている。

 2005年に小惑星「イトカワ」に到達した「はやぶさ」にも、ホッピングで移動する仕組みを備えたローバ「MINERVA」(ミネルバ)が搭載されていた。MINERVAはイトカワの着陸に失敗。「太陽を周回する世界最小の人工惑星」として今も宇宙をめぐっている

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