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» 2018年10月11日 11時28分 公開

総務省、携帯電話料金改善へ本腰 現状は「自分に合ったプラン選べない」

総務省が高額な携帯電話料金や複雑な料金プランなどの改善に向けて本格的に動き出した。有識者研究会で議論を重ね、消費者が自身に最適な事業者やサービスを選択できる環境作りを目指す。

[村田朱梨,ITmedia]

 高額な携帯電話料金や複雑な料金プランなど、携帯電話事業者を取り巻く問題の解決に向けて総務省が本格的に動き出した。利用者がそれぞれ最適な事業者やサービスを選択できるようにするため、事業者間の競争を促進するなど環境を整えていく。まずは10月10日に開いた「モバイル市場の競争環境に関する研究会」の初会合を皮切りに有識者と議論を重ね、2019年2月に中間報告案をまとめる計画だ。

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 これまでも同省は携帯電話事業者に対して利用者のニーズに合った料金プランの導入を要請しており、MNOでもライトユーザー向けにデータ容量の上限が1GBの割安プランなどの提供が進められている。しかし、研究会では「現状は利用者が自分に合ったプランを選択できるようになっていない」「消費者が適切なスペックのサービスや端末を得る仕組みがない」といった指摘が上がった。

 全国地域婦人団体連絡協議会事務局長の長田三紀氏によれば、「料金プランや割引の内容を理解していないまま契約した人や、使い切れないほどの機能を搭載した高額な端末を利用している人もいる」という。

 同氏は2年契約を条件に基本料金などを割り引く「2年縛り」などの期間拘束契約についても「自動更新は絶対にやめるべきだ」と指摘。2年縛りについては総務省も6月に携帯電話事業者へ、25カ月目の料金や違約金を消費者が支払うことなく解約できるよう指導しているが、「自動更新なしのプランも提供され始めているが、料金が高くなるなどユーザーには喜ばしくない状況が続いている」(長田氏)という。

 こうした問題について明治大学法学部の新美育文教授は「料金設定の仕組みがどうなっているのか、ユーザーには分からないのが一番の問題だ」と話す。「ユーザーとキャリアというB2Cだけでなく、その先にあるB2B(事業者間取り引き)の情報を明らかにしない限りは、公平な事業者間競争は難しいのではないか」(新美教授)

 一方、慶応義塾大学大学院の黒坂達也氏(政策・メディア研究科 特任准教授)は「消費者にはモバイル産業の構造を理解する義務がなく、理解するためのインセンティブも付与されていない」と指摘。「ユーザーリテラシーを向上させるのも重要だが、それに頼らない施策も必要だ。極論を言うと、消費者のリテラシーが向上しなくても安くて良いものを使える環境を目指して議論してもいいのでは」と話した。

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