「ねぇ、Clova、東京タワーまでの行き方を教えて」――LINEは10月15日、トヨタ自動車のクルマで、音声によるナビゲーション機能を2019年夏から提供すると発表した。LINEのAIアシスタント「Clova」が車内で使えるサービス「Clova Auto」と、トヨタがクルマから集める交通情報を組み合わせ、より短時間で到着できるルートを提示するという。
LINEは19年春、音声操作でドライブしながら家の電気を消す、LINEメッセージを送受信する、といったことが可能な「Clova Auto」の提供を始める。これに目的地検索、カーナビゲーション機能を追加する。
例えば、ドライバーが「東京タワーまでの行き方を教えて」「東名高速道路の渋滞情報を教えて」などと質問すると、ルートや交通情報を教えてくれる。トヨタのクルマでは、ハンドル部分にClovaへ話し掛けるためのマイクを操作するボタンを備え、車載ディスプレイに地図などの情報を表示する。
交通情報は、トヨタの車載機器を取り付けたクルマを利用している人たちの走行データが基になっている。収集したデータから道路状況をリアルタイムで予測し、最適なルートを提案できるとしている。
トヨタ自動車の山本圭司常務役員は「便利なスマートフォンでも使い方を誤ると、危険な事態につながる。スマホの機能をクルマの中でも安全に使えるようにするのは、自動車メーカーの使命と考えている」と話す。運転中のスマホ使用による事故件数は年々増加傾向にある。
そうした中、トヨタは、視線や手元を運転することに集中しながら、スマホアプリの機能などを安全に操作できるユーザーインタフェースの開発に取り組んでいる(スマートデバイスリンク)。その1つが、LINEのClovaとの連携だ。
一方、トヨタは、海外向けの一部車種で、米Appleの車載システム「CarPlay」を採用している。また、米Googleも同様のシステム「Android Auto」を、複数の自動車メーカーに提供している。山本氏は「(スマートデバイスリンクは)オープンな姿勢。現地に根差した事業者と広く付き合う」という考えを示した。
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