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» 2018年11月01日 14時22分 公開

JapanTaxi、広告目的での位置情報利用を停止 「説明が不十分だった」

JapanTaxiが配車アプリで乗客の位置情報を広告配信のために取得・利用することを停止した。ネット上でユーザーへの説明や同意を得るプロセスが不十分といった指摘が相次いでいた。

[ITmedia]

 JapanTaxiは10月30日、タクシー配車アプリ「JapanTaxi」で乗客の位置情報を広告配信のために取得・利用することを停止した。ネット上でユーザーへの説明や同意を得るプロセスが不十分といった指摘が相次いでいた。過去に取得したデータも削除した。

photo JapanTaxiの発表より

 同社は2016年1月以降、アプリから取得した位置情報を広告会社フリークアウト(港区)に提供していた。両社は16年、タクシー車内のデジタルサイネージに広告を配信するサービス「Tokyo Prime」を手掛ける合弁会社IRIS(千代田区)を設立している。

 10月下旬、このTokyo Primeを巡り、ネット上で「タクシーを使った後、どんな店に行ったか追跡されるらしい」と不安の声が上がり、続けて「広告配信のために位置情報の提供を許可した覚えはない」など、ユーザーへの説明が不十分だとする指摘が相次いだ

photo Tokyo Primeの媒体資料より

 JapanTaxiは、アプリのプライバシーポリシーに「位置情報などを第三者の広告配信・表示に利用することがある」と明記していたが、ネット上の指摘を受けて「ユーザーへの説明・同意取得プロセスが不十分だった」と判断した。

 協議の上、フリークアウトは29日、アプリからデータが送信されても情報を取得しないように改修し、JapanTaxiもフリークアウトへデータを提供する仕組み(SDK)の利用を停止。それまで取得したデータの削除も、30日までに完了したという。SDKを削除したJapanTaxiアプリ(iOS/Android、バージョン4.1.2)も公開している。

位置情報はどのように利用?

 JapanTaxiによれば、ユーザーがアプリの設定で位置データの取得を「常に許可する」としていた場合、タクシー乗車の有無を問わず、個人を特定できない匿名化されたID単位で位置情報を取得し、フリークアウトへ提供していた。

 フリークアウトはそうした情報を(1)特定エリアに訪れたIDをカウントし、個人は特定しないがID数(来訪者数)を広告主に報告、(2)特定エリアへの来訪歴に応じ、Web上の広告枠に広告を表示する、(3)ユーザーがTokyo Primeを搭載したタクシーに乗車した場合、ビーコン機能(iBeacon)を活用し「Tokyo Primeの広告を閲覧した人が広告主のサイトに来訪する確率」を算出して報告する――という用途に使っていた。

 (3)のTokyo Primeは、2社の合弁会社であるIRISが運営しているが、IRISが広告主に提出するレポートも(1)や(2)と同様、フリークアウトのシステムを利用していた。ユーザーの来訪歴に応じ、Tokyo Primeの画面に広告を出し分けるようなことはしていないという。

 また、ネット上では「車内タブレット端末のカメラが乗客の顔を認識しているらしい」と懸念する声も出ていた。JapanTaxiによれば、カメラは乗客の性別を識別し、広告の種類を出し分けるもので、取得した顔写真はその場で破棄しているという。

 JapanTaxiは「ご迷惑・ご心配をおかけしたことを、心よりおわび申し上げる」と謝罪し、「今後も『JapanTaxi』アプリをより安心・安全に使ってもらえるよう、品質とサービス向上に努める」としている。

 フリークアウトも「引き続きユーザーのプライバシーを尊重し、適切・適法な範囲で、各種データを厳格に管理した上で、データを活用した広告、デジタル・マーケティングの進展に向けて、改善を続けてゆく」と説明している。

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