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仮想通貨マイニングのエネルギー消費、天然金属の採掘よりもコスト高――米研究

» 2018年11月07日 12時29分 公開
[井上輝一ITmedia]

 仮想通貨取引の承認作業である「マイニング」には、同等の価値を持つ天然金属の採掘と同じかそれ以上のエネルギーコストがかかっているとする研究結果を、米オークリッジ科学教育研究所の研究グループが11月5日(米国時間)に発表した。

 研究グループは2016年1月1日〜18年6月30日までの間に1ドル相当の「ビットコイン」「イーサリアム」「ライトコイン」「モネロ」をマイニングするのに消費された平均エネルギーを計算した。

 その結果、ビットコイン1ドルには17メガジュール、イーサリアム1ドルとライトコイン1ドルには7メガジュール、モネロ1ドルには14メガジュールのエネルギーが消費されていることが分かったという。

各仮想通貨と天然金属の採掘コスト

 一方、天然金属1ドルを採掘するのに必要なエネルギーコストを見ると、アルミニウムが122メガジュールとコストが高い他は、銅が4メガジュール、金が5メガジュール、白金が7メガジュール、希土類酸化物が9メガジュールと、仮想通貨マイニングの方が1ドル相当の採掘に高いコストをかけていることが分かった。

 暗号通貨マイニングによって、研究期間を通して300万〜1500万トンのCO2が排出されたとも見積もっている。

 また、研究グループは今後マイニングする人々が増えると、さらにコストは上昇していくだろうとも予想している。

 研究結果は、英科学雑誌Natureの姉妹誌Nature Sustainabilityに掲載された。

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