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大激突! Pepper vs パートのおばちゃん “コスパ頂上決戦”マスクド・アナライズのAIベンチャー場外乱闘!(3/5 ページ)

» 2018年11月21日 08時00分 公開

(CM明け)

 なんと、あのPepperが店頭にいたのである!

はま寿司 はま寿司のPepper(画像はソフトバンク公式サイトより)

 そしてはま寿司店員の青い衣装を身に付けて、人々を座席へと誘導していた! 「その者青き衣をまといて金色の浜に降り立つべし。失われし米と魚の絆を結び、ついに人々を青き清浄の席に導かん……」という“寿司の谷一族”に伝わる古い伝承である。

 「子供たちよ、わしの代わりによく見ておくれ」という小芝居を繰り広げていると、店員さんからの「覆面の方はちょっと……」の一言で現実に引き戻されます。

 プロレス観戦でお気に入り選手のレプリカマスクを着用しており、ついドジっ子属性を発揮してマスク姿のまま来店していたのです。すかさず「これがホントの覆面調査です(はま寿司の本部社員とは言ってない)」と切り返したものの、「他のお客様に差し支えがありますので」と、ド正論が返ってきました。

彼は、活躍していた

 TPOをわきまえる大人として「世を忍ぶ仮のマスク」を着用し、Pepperでの受付を済ませます。シンプルなタッチパネルで必要事項を入力すると、受付番号が発行されます。

 今回は利用できませんでしたが、事前に予約もできるようです。店内には多くの客が待っていますが、Pepperは手際よく番号で呼び出してくれます。いない客を飛ばしながら次の客を案内する姿は、華麗なスルーパスを決めるファンタジスタを彷彿とさせます。

 人間の店員が不在の客を飛ばすと後からクレームになりますが、Pepperならロケットパンチや「目からビーム」でクレーム客ごと処理できるので安心ですね(編集部注:そんな機能はありません)。

 かなりの人数が待っていたものの、Pepperのスルースキルにより、15分ほどで私の番号が案内されました。そして座席番号を確認する際、受付票に記載された寿司ネタをタッチします。これは他の客がなりすまして、割り込みを防ぐための処置ですね。

 座席について周囲を見渡すと、広い店舗であるとわかります。広さの割にホール内の店員は少なく、それぞれ会計と片付けに専念しています。注文は全てタッチパネルで、寿司が届くタイミングでは踊るポンポコリンな音声案内が流れます。あと、手を洗うお湯がやたら熱かったのですが、生モノを扱うためでしょうか。

 一通り寿司を堪能したところで、会計で最後の仕事が待っています。領収書の宛名です。ここで「宛名は『マスクド・アナライズ』で」とお願いすれば、お姉さん歴40年のベテラン店員と一悶着(ひともんちゃく)あるでしょう。しかし、忙しかったのか定型の領収書を発行されただけで、宛名は自分で書くスタイルでした。ちなみに電子マネーも一通り対応しています。

 こうしてわれわれ調査隊は、はま寿司という安住の地を見つけて余生を謳歌するPepperに、さまざまな団体を渡り歩くいぶし銀のベテランプロレスラーの背中を重ねて、店を後にしたのであった。

はま寿司がPepperを活用できた理由

 無駄に長い前振りはここまでにして、真面目な話に移ります。8割以上の企業がPepperを解約する中、なぜはま寿司は有効活用できたのでしょうか。

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