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じっくり写真を撮りたい人に ちょっと大きめ中判デジカメ、富士フイルム「GFX 50R」荻窪圭のデジカメレビュープラス(1/5 ページ)

» 2018年12月27日 08時00分 公開
[荻窪圭ITmedia]
「GFX 50R」はちょっと大きめ。彼女は指が長めだけど、それでも持てあます感じの大きさである

 各カメラメーカーがこぞって「フルサイズミラーレス一眼」に乗り出す中、富士フイルムは微動だにしないのであった(かどうかは知らないけど)。なぜなら、富士フイルムにはフルサイズよりデカい「スーパーフルフレーム」(35mmフルサイズを英語ではフルフレームと呼ぶ)センサーのGFXシリーズがあるから。クオリティーを追求するなら、センサーサイズが大きい方が基礎体力が高いって点で有利ですもの。

 そのGFXシリーズ第2弾が「GFX 50R」。

 そうだな、同社のAPS-Cサイズミラーレス一眼で例えれば、先に登場した「GFX 50S」が「X-T3」で、今回のGFX-50Rが「X-E3」という感じ。

 ファインダーをボディの左肩に内蔵し、上面をフラットにし、少しコンパクトで低価格になった中判ミラーレス一眼なのだ。中判カメラとしてはレンジファインダー風のフラットなデザインがしっくりくる感じ(個人の感想です)。

 ちなみに35mmフルサイズセンサーの大きさは36×24ミリ。GFXが搭載するセンサーは43.8×32.9ミリ。縦横比が違うので比較しづらいが、面積でみると、フルサイズが864平方ミリメートルなのに対して1441平方ミリメートル。フルサイズより大きいってのがよく分かる。

 その大きなセンサーがもたらす高画質を味わうミラーレス一眼が、GFXなのだ。

5000万画素の写りを堪能しよう

 43.8×32.9ミリで5140万画素。1枚あたり8256×6192ピクセルと聞くと、デカさが分かるかと思う。

 大きさが分かるよう、デザインが似ているX-E3と並べてみた。X-E3はAPS-Cサイズ。センサーやマウントの大きさを見比べるともう笑っちゃうくらい違う。

左がX-E3。右がGFX 50R。これだけ大きさが違うと別次元ですな

 なお、ボディ内手ブレ補正がない上に、手ブレ補正を持たないレンズが多いので、手ブレには注意。1000万画素機だと分からない微細な手ブレも5000万画素あると写っちゃうから。

左は1/60秒、右は1/125秒。1/60秒で撮った方は等倍で見るとブレてる。「絞り開放で撮った写真を等倍で見てもディテールに不自然さなくしっかり描写されてる」のにも注目

 慣れないうちは等倍で見るとぶれてた!ってカットを量産しがちなので注意したい。

 で、撮ったのはこんな絵。ちょっと入った喫茶店で飾られていたもの。

マイナスの補正をかけて背景をぐっと暗くし、淫靡な感じにしてみた。(110mm 1/125秒 F2 -1.33 ISO500)

 ここで使ったレンズは110mmの中望遠レンズ。35mm判換算をすると87mm相当になる。ポートレートによい焦点距離だ。

110mmでF2.0。手ブレ補正は未搭載なのでしっかり構えて撮らないとブレやすいけど、でもポートレートには最高のレンズ

 というわけでポートレートを撮るのである。

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