報告書では、コロプラがこのような取引を阻止できなかった背景について、「コロプラでは広告宣伝業務の社外への発注は特例となっており、社内稟議を経なくても上長1人が承認すれば実行できる状況だった」と指摘。今回のケースでは、A氏がB氏に発注を指示し、B氏は「A氏が承認した」という前提で取引を進めたとしている。
コロプラでは通常、社員が広告宣伝業務を外部に発注する際は、関係者が参加するメーリングリストなどをメールのCC欄に入れ、一定のチェック機能を持たせていたという。だが今回の取引では、B氏はA氏のアドレスのみをCC欄に入れたため、第三者が確認できなかったとしている。
特別調査委は一連の経緯を踏まえ、不適切取引が起きた要因を(1)コロプラの稟議プロセスが脆弱(ぜいじゃく)であること、(2)広告宣伝費の使い道が担当外の社員から見えづらかったこと、(3)CC欄に関係者を入れるプロセスが無視され、けん制機能が働かなかったこと――だと結論付けている。
同委はコロプラに対し、(1)コンプライアンス順守の重要性を全社に共有すること、(2)社員にコンプライアンス教育を施すこと、(3)稟議手続きを見直すこと、(4)内部監査室・担当取締役などによるモニタリングを強化すること――などの再発防止策を採るよう求めている。
コロプラは「株主の皆さまをはじめ、関係者各位に多大なご心配をおかけしたことを深くおわびする」と謝罪。今後は「全社一丸となって信頼の回復に努める」としている。
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