まずは、ヒグチユウコ氏のコメントからご紹介する。
――4年前、本屋で.comのイベントでヒグミンの制作を発表されましたが、開発のスタートから完成まで、ヒグチさんにとってどんなことが楽しかったですか?
ヒグチユウコ氏 1つの文字に対していくつかの形があり、文章になったときに、隣の文字に干渉してしまったりします。それを、西塚さんが目の前で調整していくのを見るのが楽しかったです。
――作家としてフォントの制作に関わられて、どんな発見がありましたか。チームの人間関係や考え方など何でも結構です。
ヒグチ氏 西塚さんとのやりとりが全てだったのでふたりチームでしたが、彼女の「文字好き」にあらためて触れました。
――ご自身の作品や著作にヒグミンが使われる予定がございましたら教えてください。
ヒグチ氏 作品の文字などは手描きをするので、ヒグミンを使うことはありません。現在巡回している『CIRCUS展』などのイベントのときには、キャプションやディスプレイとして使われると思います。
コメントをいただいた後、Adobe MAX 2021開催に先立って西塚涼子氏へのオンラインインタビューを行った。ヒグチユウコ氏と西塚氏の関係がどのようなものであったか、ここで詳しくお話を伺うことができた。
――ヒグチユウコさんとお会いになった最初のきっかけは何でしたか。ファーストコンタクトから開発開始に至るまでの経緯をお話しください。
西塚涼子氏 ヒグチさんの作品はいちファンとしてよく目にしていました。親しくしていただいているグラフィック社の津田淳子さんやデザイナーの名久井直子さんが、すでにヒグチさんと仕事されていて、そのつながりで紹介していただいたのがきっかけです。たぶん2016年とか2017年あたりだったと思います。それまではヒグチさんグッズを細ぼそと集めていました(笑)。ヒグチさんが作品を作られる中で個人的な交流もできてきて、いつも「(ヒグチさんの)文字がいいよね〜」という話になり、そこからヒグミンの話につながっていったという感じです。
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