2011年度の太陽光発電パネル出荷実績、国内向け出荷量が大幅増蓄電・発電機器

震災後の電力供給量不足、夏の節電要請など、2011年は多くの人が節電を意識するきっかけとなる年だった。そのような状況の中、発電装置を導入して電力を確保する動きも目立った。2011年度の太陽光パネルの出荷実績はどう動いたのだろうか。

» 2012年05月23日 21時42分 公開
[笹田仁,スマートジャパン]

 一般社団法人太陽光発電協会は、2011年度の太陽光パネルに出荷状況の調査結果を明らかにした。

 総出荷量は2,685,573kWで、前年度比5.8%増となった。このうち、国内出荷分は1,404,149kWで、前年度比32.1%増と、出荷量を大きく伸ばした。震災後の不安定な電力事情が大きく影響した結果とみられる。一方、輸出量は1,281,424kWで、前年度比13.2%減となった(図1)。

Total 図1 2011年度の太陽光発電パネル出荷実績を生産地と出荷先で分けて示したグラフ

 国内出荷分の中でも、輸入品の出荷量は前年度比80.4%増の302,467kW。国内生産品は23.1%増の1,101,682kW。出荷量はまだ少ないが、輸入品が急増したことが分かる。

 国内出荷分を用途別に見ると、およそ86%が住宅向けだ。出荷量は1,205,900kW。前年度比39.9%増と大きく伸びた。四半期ごとの推移を見ると、7〜9月の期間に急に出荷量が上がり、その後は高い値を維持し続けた(図2)。電力不足と夏の暑さが影響したものと考えられる。

Home 図2 2011年度の住宅向け太陽光発電パネル出荷実績の推移

 残りのおよそ14%の大部分は事業者向けと公共施設向けだ。このうち、事業者向けの出荷実績の推移を示したのが図3だ。上半期に比べると下半期の出荷量が倍以上になっている。ただし、年間出荷量は前年度比5.9%減の116,627kWにとどまった。

Company 図3 2011年度の事業者向け太陽光発電パネル出荷実績の推移

 太陽光発電協会は2011年度から、発電事業者向けのパネル出荷量の集計を始めた。総出荷量は53,585kWと、事業者向け出荷量の半分程度。まだまだ少ないが、2012年からは再生可能エネルギーの固定価格買取制度が始まる。太陽光によって発電した電力は1kW当たり42円と比較的高い値段が付いている。太陽光発電協会は、2012年度は発電事業者向けのパネル出荷量が急増すると見ている。

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