国を挙げて省エネ照明へ切り替え、白熱電球の製造・出荷は年内に終了へLED照明

政府は照明機器のメーカーや販売店に対して、2012年内にLED照明など省エネ性に優れた製品への切り替えを促進し、白熱電球の製造・出荷を終了するよう、協力を要請した。これにより家庭のほか店舗やオフィスでもLED照明の普及が一気に進む可能性が大きくなった。

» 2012年06月13日 20時51分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]

 経済産業省と環境省は両大臣名で、業界団体の「省エネあかりフォーラム」に対してLED照明などの普及促進に協力することを文書で要請した。このフォーラムにはパナソニックや東芝ライテックをはじめとする電球メーカー各社のほか、ヤマダ電機などの量販店を含めて、照明機器の製造・販売にかかわる84の企業・団体が加盟しており、業界全体に対して政府の明確な方針を伝えたことになる。

 6月13日付で出された文書には、次のように書かれている。「家庭で多用されている口金26型白熱電球等について、省エネ性能に優れた電球型蛍光ランプ・LED照明等高効率な照明製品への切替えが進むよう、関係する各主体が、それぞれの立場で実施することができる取組について、一層の積極的な御対応を頂くよう、関係各方面に協力を要請します」。

 経済産業省は4年前の2008年5月に、メーカーに対して2012年をめどに白熱電球の製造・出荷を終了するように要請しており、今回の文書でも「大手家電メーカーでは2012年を目途に一般的な白熱電球の製造・出荷を行わないこととする予定です」と明記している。年末までには通常の販売ルートで白熱電球が取り扱われることはなくなるとみてよい。

 両省は国民への啓もう活動を「あかり未来計画」として推進することも決めた。販売店にポスターを掲示するほか、コンビニエンスストアなどにステッカーを貼って導入機運を盛り上げる考えだ(図1)。残る課題は白熱電球と比べた価格の高さで、2013年からの製造・販売量の増加によってLED照明の価格が大きく下がれば、一気に普及する可能性が大きくなってきた。

ALT 図1 「あかり未来計画」のステッカー2種類

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