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» 2012年07月09日 09時30分 UPDATE

電力供給サービス:関西電力の節電促進プランの利用者が拡大、小口顧客向けは前年比1万6000件の増加

今夏の電力不足が懸念される関西電力だが、需要と供給のギャップを埋めるための施策が顧客の間に浸透してきた。節電に対して料金の割引などを提供するプランの契約数が増加しており、電力需要のピーク抑制に大きく貢献する見込みだ。

[石田雅也,スマートジャパン]

 関西電力が顧客に提供する節電促進プランは家庭向けで1種類、企業向けは主なものが3種類ある。家庭向けでは7月〜9月の電力使用量を削減した場合の節電インセンティブを設けたところ、12万件以上の申し込みがあった。

 一方の企業向けでは、需給状況が厳しくなったときにピークを削減する「随時調整契約」、あらかじめ日を決めてピークを削減する「計画調整特約」のほか、月間のピークを前年同月よりも削減する「デマンドカットプラン(需給調整特約)」(図1)があり、すべて前年実績を大きく上回る契約件数になっている。

ALT 図1 関西電力の「デマンドカットプラン」。前年同月と比べた最大需要電力(ピーク)の削減分を割り引く。出典:関西電力

 このうちデマンドカットプランは11万件にのぼる小口顧客(契約電力500kW未満)が対象になり、7月3日の時点で7割に相当する7万6900件の顧客が契約した。前年の実績は6万1000件で、約1万6000件の増加になる。デマンドカットプランによって前年は53万kWのピーク電力を削減できたことから、今年も各顧客で同程度の節電が実施された場合には67万kWの削減を見込むことができる。関西の電力需要の2%強に相当する規模である。

 現時点で関西電力が想定している需給ギャップは274万kWだが、これは原子力発電所を1基フル稼働させた場合の想定だ。もう1基がフル稼働すると118kWの追加になり、残るギャップは156kWになる。デマンドカットプランをはじめ企業と家庭向けに実施する節電促進プランの効果を合計すれば、ほぼ需給ギャップは解消できる見通しになってきた。

 さらに関西電力は大口顧客を対象にした「ネガワットプラン」という新しいピーク抑制策も実施することにしており、現時点で14件の申し込みがあった。このほかにも同様のプランを拡充しており、顧客の間で着実に広がりつつある。節電対策は今冬や来夏以降も必要になる。原子力発電に対する依存度を引き下げるためにも、継続的に取り組みを拡大していくことが求められる。

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