EVで非常用電源確保、三菱自動車が本社ビルにシステム設置蓄電・発電機器

自動車メーカー各社は、EV(電気自動車)に充電した電力を住宅で利用可能にするシステムの開発を進めており、日産自動車はいち早く“LEAF to Home”というシステムを市場に投入した。三菱自動車は本社ビルにEVを並べて、非常用電源として活用するシステムを作った。

» 2012年07月24日 15時00分 公開
[笹田仁,スマートジャパン]

 三菱自動車工業は2012年7月24日、同社の本社ビル(東京都港区)に、EVを利用して停電などの非常時に電源を確保するシステム「MiEV power SUPPLY」を設置したと発表した。

 このシステムは同社のEV「i-MiEV」、「MINICAB-MiEV」を利用したもの(図1)。本社ビル1階に、最大4台設置できる場所を作った。

図1 MiEV power SUPPLYに利用するEV。左がi-MiEV、右がMINICAB-MiEV

 EVからの電力取り出しには、専用アダプタ「MiEV power BOX」を利用する。同社が4月から発売を開始したものだ(図2)。

図1 EVからの電力取り出しに利用するMiEV power BOX

 本社ビル内にはMiEV power SUPPLY専用の配線を敷設し、5階の会議室と、8階の災害対策本部に電力を供給できるようにした。5階の会議室にはテレビなどを設置して災害情報を提供する場とし、来客者の避難場所としても活用する。

 蓄電容量が16.0kWhの車種(i-MiEV「G」およびMINICAB-MiEV)を4台接続(蓄電容量の合計値は64.0kWh)すると、およそ3日間にわたって電力を供給できるという。

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