電気自動車から家庭用電源を取り出すアダプタ、三菱自動車が発表電気自動車

電気自動車が備える蓄電池の電力を取り出して、家庭で利用する実験が進んでいる。三菱自動車がいち早く電気自動車の電力を利用するためのアダプタを発表した。

» 2012年03月14日 14時01分 公開
[ITmedia]

 三菱自動車は2012年3月9日、同社が販売する電気自動車「i-MiEV」や、ミニバン型の商用電気自動車「MINICAB-MiEV」から交流100Vの家庭用電力の取り出しを可能にするアダプタ「MiEV power BOX」(図1)を発表した。全国の系列販売会社を通して、4月27日から販売を開始する予定。価格は149,800円(税込)。

ALT 図1 MiEV power BOXの本体と接続ケーブル。ケーブル長は1.7mで、本体重量は9.5kg。画像をクリックすると拡大

 MiEV power BOXは、電気自動車の急速電源コネクタに接続するケーブルを備えており、これで電気自動車と接続すると、電気自動車の蓄電池に蓄積してある電力を取り出して、利用できる(図2)。MiEV power BOX本体には、家庭用の交流100Vのコンセントが1つ付いており、ここに各種電気機器を接続して利用できる。取り出せる電力の最大出力は1500W。


ALT 図2 MiEV power BOXをi-MIEVに接続したところ。1500Wの電力をおよそ5〜6時間取り出し続けることが可能。画像をクリックすると拡大

 蓄電池の総電力量が16.0kWhの車種(i-MiEV、MINICAB-MiEVの上位仕様の車種)の場合、満充電時なら、1500Wでおよそ5〜6時間連続使い続けることが可能。これは平均的な一般家庭の消費電力量に当てはめるとおよそ1日分に当たる。

 蓄電池の電力を使い切って、走行できないという事態を回避するために、電気自動車の蓄電池に満充電時と比較しておよそ25%の電力を残す工夫も加えている。

 同社はMiEV power BOXの用途として、レジャーなど外出先での電源確保や、停電時などの非常時の電源確保を挙げている。商用機器で必要になることが多い200V電源は取り出せないが、例えば小規模な店舗なら100Vで済む機器もある。非常時にこのような機器を稼働させるという用途も考えられるだろう。

 同社は、家庭用電力のピークカットなどの用途については実証実験を続けているところだとしている。

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