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» 2012年07月25日 09時30分 UPDATE

蓄電・発電機器:デマンドを最大1MW抑制、集光型太陽光パネルを利用したシステムが稼働開始

夏の電力不足に備えて自家発電装置を増設する工場が増えている。ガスタービンを利用した発電装置を導入する例が多いが、住友電気工業は集光型太陽光パネルを利用した発電システムを導入する。発電した電力は大型蓄電池に充電し、供給量を安定させる。

[笹田仁,スマートジャパン]

 住友電気工業は同社の横浜製作所(横浜市栄区)に集光型太陽光パネルを利用した自家発電システムを建設し、7月24日から稼働を始めた(図1)。集光型太陽光パネルは、太陽光パネルの上に集光レンズを配置したもの。レンズで集光した強い光を太陽光パネルに当てる。発電素子に特殊な材料を採用しており、発電効率はシリコンを利用した市販の太陽光パネルの約2倍となる。

Sumitomo_Electric_Industries_1.jpg 図1 今回稼働を始めた自家発電システム。右側に並ぶ板が集光型太陽光パネルで、左側にある青色の装置がレドックスフロー電池

 今回稼働を始めた自家発電システムでは、集光型太陽光パネルを15基設置し、最大発電量は100kWになるという。さらに、2013年3月末には集光型太陽光パネルを28基に増設し、最大発電量を200kWまで引き上げる予定。

 太陽光発電は天候によって発電量が変わり、電力の安定供給が難しいという欠点がある。そこで今回の自家発電システムでは、大型蓄電池を組み合わせる。集光型太陽光パネルで発電した電力を蓄電池に充電し、必要なときにいつでも電力を利用できる環境を作る。

 蓄電池は「レドックスフロー電池」というものを採用した。小型化が難しいという欠点はあるが、充放電を繰り返しても劣化しにくく、整備が容易で寿命が長い。さらに、発火する可能性がほとんどなく、安全に扱えるという特長がある。今回利用するレドックスフロー電池は1MWの電力を5時間供給できるほどの容量を持つ。

 集光型太陽光パネルとレドックスフロー電池に加えて、すでに横浜製作所に設置済みのガスエンジンコージェネレーションシステムを組み合わせて利用する(図2)。さらに、FEMS(工場向けエネルギー管理システム)を利用して放電量、発電量を制御する。例えば、天候によって変化する集光型太陽光パネルの発電量に合わせてレドックスフロー電池からの放電量を調節したり、工場の電力需要に合わせてガスエンジンコージェネレーションシステムやレドックスフロー電池からの出力を調整することで、発電した電力を無駄なく使うことを狙っている。

Sumitomo_Electric_Industries_2.jpg 図2 横浜製作所の自家発電システムを連携させてFEMSで制御する

 住友電気工業はこのシステムの運用を続けながら、システムの低コスト化を進め、実用化を目指す。2013年度中に工場や商業施設などの大規模需要家に向けて販売を始める計画を立てている。

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