EVと据え置き型蓄電池、2つの蓄電池を活用するV2Hシステム蓄電・発電機器

日産自動車の“LEAF to Home”など、EV(電気自動車)やPHV(プラグインハイブリッド車)に貯まっている電力を住宅で活用するV2H(Vehicle to Home)システムに注目が集まっている。デンソーは据え置き型蓄電池も活用するV2Hシステムを開発した。

» 2012年07月25日 07時00分 公開
[笹田仁,スマートジャパン]

 デンソーは2012年7月24日、EVの電力を住宅でも利用可能にするV2Hシステムを開発したと発表した。これは、「次世代エネルギー・社会システム実証事業」の一環として開発したもの。デンソーは2013年から豊田市で、今回開発したV2Hシステムを利用した実証実験を始める。

 最大の特長は住宅用の据え置き型蓄電池も活用する点にある。EVと据え置き型蓄電池の充電、放電スケジュールをHEMS(家庭向けエネルギー管理システム)で制御する。HEMSはEVの走行予定と、住宅内での電力使用量を予測する。その予測に従って、EVと据え置き型蓄電池への充電スケジュールを自動的に制御する(図1)。

図1 デンソーが開発したV2Hシステムの構成図。据え置き型蓄電池だけでなく、太陽光発電システムとの連携も可能

 太陽光発電システムとの連携も可能。太陽光で発電した電力は、住宅で使って余剰分を売電するだけでなく、EVや据え置き型蓄電池への充電に回すこともできる。ピーク時にはEVと据え置き型蓄電池の両方を利用してピークシフトが可能。

 据え置き型蓄電池を活用した機能としてはもう1つ、EVへの急速充電機能が挙げられる。EV用の急速充電器は短い時間で大電力を流すため、一般的な住宅に設置するには契約電力を引き上げる必要があることが多い。

 今回デンソーが開発したV2Hシステムでは、据え置き型蓄電池に充電しておいた電力を短時間でまとめて流すため、契約電力引き上げは必要ない。15分の充電でおよそ20km走行できるだけの電力を充電できる。

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