80億円の太陽光発電プロジェクト、銀行4社が融資して大分県で開始自然エネルギー

日産自動車が大分県の臨海工業地帯に所有する35万平方メートルの広大な土地に、発電能力26.5MWの大規模な太陽光発電所が建設されることになった。プラント大手の日揮が中心になり、銀行4社が融資する日本で初めての事業投資型プロジェクトとして運営する。

» 2012年08月30日 11時35分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]

 太陽光発電が大型の投資案件としても注目され始めた。プラント大手の日揮が総事業費80億円をかけて大分県に建設する太陽光発電所のプロジェクトに、みずほコーポレート銀行をはじめとする銀行4社が融資する。「プロジェクトファイナンス」と呼ぶ事業資産を担保にした融資契約の形態をとり、太陽光発電の新規事業に対しては日本で初めてのプロジェクトファイナンスになる。

 太陽光発電所を建設する場所は、日産自動車が大分県の臨海工業地帯に保有する未利用の土地で、35万平方メートルの広さがある。この土地に発電能力が26.5MW(メガワット)の太陽光発電所を建設する計画で、2013年5月に稼働を開始する予定だ。

 発電した電力は全量を九州電力に売電する。年間で3000万kWh程度の発電量になるものとみられ、固定価格買取制度によって1kWhあたり40円(税抜き)で売電すると年間に12億円の収入になる。同制度では20年間にわたって買取価格が維持されるため、20年間で240億円の収入が期待できる。

 総事業費80億円の3倍の規模の収入が見込めることから、銀行にとっても長期の投資案件として有望でリスクが小さいと考えられる。みずほコーポレート銀行のほかに、地元の大分銀行、豊和銀行、福岡銀行がプロジェクトファイナンス契約に加わる。

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