買取制度施行後初、バイオマス発電で設備認定を取得電力供給サービス

再生可能エネルギーの固定価格買取制度が始まって以来、太陽光発電にばかり注目が集まっていた感がある。住友重機械工業は同社が福島県の企業に納入したバイオマス発電設備がバイオマス発電設備として始めて、設備認定を受けたと発表した。

» 2012年09月21日 15時20分 公開
[笹田仁,スマートジャパン]

 住友重機械工業は、バイオマス発電を手掛ける企業であるグリーン発電会津(福島県会津若松市)に納入したバイオマス発電設備が、バイオマス発電としては初めて再生可能エネルギー発電設備の設備認定を受けたと発表した(図1)。グリーン発電会津は、住友重機械工業から受領したバイオマス発電設備で発電した電力を全量、固定価格で20年間売電できる。

図1 住友重機械工業がグリーン発電会津に納入したバイオマス発電設備

 今回認定を受けたバイオマス発電設備は、住友重機械工業がモジュール設計とブロック工法を駆使して建造したもので、受注から14カ月で納入できたという。2012年7月から稼働を始め、設備認定を受けたのは2012年8月23日。最大出力は約5MW(5000kW)。

 再生可能エネルギーの固定価格買取制度では、バイオマス発電を5種類に分類し、それぞれ異なる買取価格を設定している。今回認定を受けた発電設備は間伐材などの山林未利用材を木質チップに加工したものを燃料とし、水を沸かして蒸気でタービンを回して発電する。5種類あるバイオマス発電方式のうち、「未利用木材燃焼発電」に当たり、買取価格は1kWh当たり33.6円となる。

 バイオマス発電のうち、木材などの有機物を燃やして発電する方式では、発電時にCO2(二酸化炭素)を発する。CO2は地球温暖化を促進させるとして政府が排出量を制限しているが、バイオマス発電に限ってはその制限を受けない。これは、有機物を燃焼して発生したCO2は、もともと有機物が光合成で吸収したものであり、それを放出しても地球全体のCO2の量には影響がないという考えからからだ。この考え方を「カーボンニュートラル」と呼ぶ。

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