電力を最大限に有効活用する街が着工、2014年春に入居開始予定都市・地域

太陽光発電や、蓄電池、家庭用燃料電池といった電力を有効活用する機器を全戸に設置した街の建設が始まった。約19万平方メートルの敷地に、合計で1000戸の住宅を用意する計画だ。

» 2012年10月02日 11時15分 公開
[笹田仁,スマートジャパン]

 パナソニックは電力の有効活用を目指す街、「fujisawa サスティナブル・スマートタウン」の建設を始めた(図1)。さらに、この街の運営や各住戸の販売などを担当する新会社「fujisawa タウンマネジメントカンパニー」を2013年3月に設立することを明らかにした。

図1 fujisawa サスティナブル・スマートタウンの完成予想図

 fujisawa サスティナブル・スマートタウンは、神奈川県藤沢市にあるパナソニックの工場跡地に建設する街。敷地面積は約19万m2。ここに戸建住宅600戸、集合住宅400戸を建設する。

 すべての住宅に太陽光発電システム、蓄電池、HEMS(住宅向けエネルギー管理システム)が備わっており、電力の有効活用、再生可能エネルギーの有効活用を狙っている。パナソニックは、この街全体で再生可能エネルギーの利用率を30%以上にすることを目標にしている。

 住宅だけでなく、屋外の公共用地にも太陽光発電システムを設置する。この結果、街に設置する太陽光発電システムと蓄電池の出力を合計すると、いずれも3MW(3000kW)に達するという。

 街路には監視カメラや、人感センサー付きのLED街路灯を設置し、街の安全を確保する。停電時も必要な部分の街路灯は点灯するようになるという。

 自動車、バイク、自転車のシェアリング制度も導入する。電気自動車やハイブリッド車を利用したカーシェアリングのほか、電動バイクの充電池(取り外し可能)をすぐにレンタルする制度、電動アシスト自転車のシェアリングも始めるとしている。

 2014年春に入居開始の予定。入居開始後も街の開発を続け、完成は2018年になる予定。販売開始時期や、各住戸の価格については検討中としているが、価格については「藤沢市のほかの住宅とくらべて決して高くはない価格」にするという。

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