海外への生産移転で閉鎖した工場跡地にメガソーラー自然エネルギー

繊維大手のグンゼは、閉鎖した工場跡地など全国3カ所に大規模太陽光発電所(メガソーラー)を建設すると発表した。国内での生産量が減り、閉鎖した工場の跡地を有効活用して売電収入を得る考えだ。

» 2013年01月28日 07時00分 公開
[笹田仁,スマートジャパン]

 今回メガソーラーを建設する3カ所は、江原グンゼ株式会社跡地(兵庫県豊岡市)とグンゼ宇都宮事業所内のグランド(栃木県下野市石橋町)に加えて、関連会社である福島プラスチックス株式会社(福島県本宮市)だ。福島プラスチックス(図1)では工場の屋根と空き地を利用するが、ほかの2カ所は未利用地になっており、地面に設置する。

図1 福島プラスチックスの工場。工場の屋根と空き地に太陽光発電パネルを設置する。出典:グンゼ

 国内の数ある事業所や社有地の中でもこの3カ所がメガソーラー建設地になったのは、日照条件などを精密に調べ、採算が取れることを確認した結果だという。3カ所のメガソーラーの最大出力は以下の通り。江原グンゼ跡地が2.2MW、グンゼ宇都宮事業所内のグランドが1.3MW、福島プラスチックスが1.9MW。合計出力は5.4MWになる。

 現在、経済産業省の設備認定と電力会社との連係協議を進めているところで、2012年度中に完了させて、1kWh当たり42円で売電したい考えだ。連係協議などの手続きが終了次第建設に入り、2013年の9月に稼働開始の予定だ。メガソーラーの設計、建設、メンテナンスはグループ会社で、省エネ診断事業などを展開しているグンゼエンジニアリングが担当する。

 グンゼは100年以上の歴史を持つ会社であり、かつては国内の工場で肌着を大量生産していた。現在では大量生産で安価に販売する製品を海外の工場で生産している。今では、グンゼが出荷する製品のうち、65〜70%が海外で生産したものだという。現在も日本で生産しているのは、高級肌着や電子部品、プラスチックフィルム、医療関係製品などだ。

 生産機能の大部分が海外に移った結果、国内で活発に動いていた工場は停止した。今回メガソーラーを建設する江原グンゼ跡地には肌着の工場が建っていた。グンゼ宇都宮事業所もかつては肌着の工場だったが、現在では物流拠点となっている。工場として使っていたころは、工場で働く人たちがグランドを利用することも多かったという。

 グンゼは閉鎖した工場跡地を有効活用する方法を考えていたが、長い間良い案が出ず、未利用地となっていた。固定価格買取制度の開始に伴い、候補地を選んでメガソーラーとして活用することになったわけだ。グンゼのように、生産拠点の海外移転で国内に工場跡地を抱えている企業は多いはずだ。活用法の1つとしてメガソーラーを考えてみてはいかがだろうか。

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