光熱費をゼロ以下にする「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」が商品化スマートハウス

住宅メーカー大手の積水ハウスがエネルギー消費量を実質的にゼロにできる「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」を発売した。従来のスマートハウス以上に節電・蓄電・発電の機能を高めることで、売電収入と合わせて光熱費をゼロ以下に抑えることができる。

» 2013年04月10日 07時00分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]

 積水ハウスが4月8日から発売したスマートハウスの新商品「グリーンファーストゼロ」は、従来の商品と比べてエネルギー消費量が1〜2割程度少なくなる。光熱費は一般的な4人家族の場合で年間に約30万円を節約できて、実質的にマイナスになる想定だ(図1)。

図1 光熱費とCO2排出量の削減イメージ。出典:積水ハウス

 グリーンファーストゼロは住宅に実装できる節電・蓄電・発電の機能をほぼフル装備する(図2)。通常のスマートハウスと違う点は「断熱」の仕組みにある。アルゴンガスを封入した窓ガラスの採用などによって、一般の住宅と比べて断熱性能を約30%向上させた。太陽光発電システムや燃料電池によるガスコージェネレーション(エネファーム)、蓄電池やHEMS(家庭向けエネルギー管理システム)を標準で装備する点は変わらない。

図2 家庭におけるエネルギー消費量の比率と削減対策。出典:積水ハウス

 積水ハウスはグリーンファーストゼロを新築住宅の主力商品に据える方針で、全体の販売戸数に占める割合を2013年度に40%、2014年度には60%まで高める計画だ。2009年から太陽光発電システムと燃料電池を装備して発売した従来の「グリーンファースト」は現時点で販売戸数の80%以上を占めるまでに拡大している。

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