平日昼間の単価を高く、東京電力が4種類の新メニュー電力供給サービス

東京電力が平日昼間の電力使用量を抑制する狙いで、新たに家庭向けに4種類の時間帯別・日別の料金メニューを5月15日から開始する。通常のメニューと比べて平日の昼間の単価を高くする一方、夜間や土曜・日曜の単価を安く設定した。ただし年間を通じた料金になるため注意が必要だ。

» 2013年04月24日 17時00分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]

 新たに開始するメニューは「朝得プラン」「夜得プラン」「半日お得プラン」「土日お得プラン」の4種類。名称からわかるように、特定の時間帯や土曜・日曜の単価を安く設定したもので、生活スタイルによっては電気料金を安くできるメリットがある。その代わりに単価が高い時間帯があり、年間を通じたメニューになるため、季節などで電力の使用パターンが変わることに注意して利用する必要がある。

 東京電力の家庭向けの標準メニューである「従量電灯B」と比較すると、単価が最も安くなる「朝得プラン」の場合には、午前1時〜9時が従量電灯Bの1段料金より37%も低い(図1)。そのほかの時間帯は23%高い設定だ。早朝以外の電力使用量が少ない家庭に向いている。

図1 東京電力の家庭向け標準メニュー「従量電灯B」と4つの新メニューの料金比較

 このほか夜間の単価が安い「夜得プラン」や、夜間から早朝が安い「半日お得プラン」があり、安くなる時間帯が長いメニューほど高い時間帯の単価が上昇する。「半日お得プラン」の場合は高い時間帯になると「従量電灯B」より46%も単価が高くなる。週末も同じ料金設定になる点は要注意だ。同様に「土日お得プラン」では祝日が平日の料金になってしまう。

 4つの新メニューに共通するのは、平日の昼間の単価を高く設定していることで、電力会社にとっては需要のピークを抑制できるメリットがある。特に夏季は燃料費の高い火力発電を使って供給力を増加する必要があり、電力会社の経営を圧迫する大きな要因になっている。

 東京電力は昨年の値上げの際に、夏季の7月〜9月の昼間の単価を高くする代わりに夜間の単価を低くした「ピークシフトプラン」を導入した。ただしピーク時間帯の13時〜16時の単価を通常の2倍以上に設定したほか、年間を通じて昼間の単価が高くなることから、実際の申込件数は想定を大きく下回ったものとみられる。

 今回の新メニューはピークシフトプランほど極端な単価設定になっていないため、1人世帯を中心に申込件数が増える可能性は大いにありそうだ。利用者が多数にならないとピークを抑制する効果は発揮できない。

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