四国で風力発電が急拡大、60万kWまで受け入れ可能に電力供給サービス

太陽光や風力などの再生可能エネルギーは発電する出力が変動するため、電力会社は受け入れる量を制限して送電ネットワークを安定させている。四国電力は従来の25万kWの制限を60万kWに拡大して、増加する風力発電所からの送電に対応できるようにした。

» 2013年06月19日 15時00分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]

 四国電力は風力発電の受け入れ(連系)可能量を25万kWに制限してきた。しかし四国には風力発電に適した地域が多く、大規模な発電所の建設プロジェクトが相次いだため、1年前の2012年5月に中部電力と関西電力に送電する方法で20万kWの増加を決めていた。さらに風力発電の出力を平準化できる見通しがついたことから、新たに15万kWを増やして合計60万kWまで受け入れる。

 他の電力会社に送電する分で増やした20万kWについては、早くも対象になるプロジェクトが確定した。愛媛・徳島・高知の3県で建設中の8か所の風力発電所が対象になる(図1)。特に愛媛県が4か所あり、合計すると10万kWを超える規模になる。メガワットに換算すると100MW超である。

図1 四国電力の送電ネットワークに接続が決まった風力発電所。出典:四国電力

 四国電力の上限拡大に伴って、関西電力も兵庫県・淡路島の南部地域で風力発電の受け入れ量を増やす。兵庫県と徳島県のあいだにある淡路島は関西電力の管内だが、島の南部は四国電力から供給を受けている(図2)。このため風力発電設備を送電ネットワークに接続する場合は四国電力の条件に合わせる必要があり、受け入れを制限してきた。

 淡路島も風力発電に適していて、すでに合計5万kW以上の風力発電所が稼働している。四国の各地域と淡路島で今後も大規模な風力発電所の建設が可能になった。四国電力は引き続き上限の拡大を検討していく。

図2 淡路島の送電ネットワーク。出典:関西電力

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.