累計10万台の電気自動車を販売、7万台の日産と3万台のルノー電気自動車

ルノー・日産アライアンスは電気自動車の販売を開始してから2年半で全世界10万台を販売した。「リーフ」が最も多く、超小型モビリティに相当する2人乗りの「トゥイジー(Twizy)」が次ぐ。

» 2013年07月25日 07時00分 公開
[畑陽一郎,スマートジャパン]

 ルノー・日産アライアンスは2013年7月、ゼロ・エミッション車の全世界の販売台数が10万台を超えたと発表した。リーフの発売から2年半で達成したことになる。ユーザーの数は7万1000人以上だという。ここでいうゼロ・エミッションとは走行時に二酸化炭素(CO2)を排出しない、いわゆる電気自動車を指す。

 電気自動車の販売シェアではルノーと日産自動車が全メーカーを合計した数値の5割以上を維持しているという。つまり電気自動車の2台に1台以上は2010年12月に発売された日産自動車の「リーフ」を筆頭とする同アライアンスの車ということになる(図1)。

図1 日産自動車「リーフ」。出典:日産自動車

 リーフの市場は米国が最も大きく、全世界の7万台のうちの約3万台を占める。次いで日本の2万8000台、欧州の1万2000台である。欧州市場ではノルウェーの4600台が際立つ。

 ノルウェーは2012年時点の発電能力のうち約95%を水力発電に頼っているため、発電所を含めて考えても走行時ゼロ・エミッションの達成度が高い。ノルウェー政府は電気自動車の優遇政策を進めている。電気自動車では日本の消費税に相当する税率25%の付加価値税(VAT)の他、道路通行料が免除されている。さらに電気自動車に限り、バスレーンの走行や無料駐車も許可されている。

超小型モビリティが1万1000台売れる

 ルノー・日産アライアンスを構成するもう1つの企業ルノーも電気自動車に力を入れている。同社初の電気自動車「カングー Z.E.(Kangoo Z.E.)」を2011年後半に発売した後、セダンの「フルーエンスZ.E.(Fluence Z.E.)」と2人乗りの「トゥイジー(Twizy)」(図2)、サブコンパクト車「ゾエ(ZOE)」を合わせ累計で約3万台を販売した。トゥイジーは日産自動車の超小型モビリティ「New Mobility Concept」とほぼ同等の車であり、3万台のうち、約1万1000台を占める。

 ルノーの電気自動車は欧州の電気自動車市場の61%のシェアを持っており、特にフランス、ドイツ、イタリアの市場が大きいという。

図2 ルノーの2人乗り電気自動車「トゥイジー」。出典:ルノー

化石燃料削減効果は大きい

 今回の10万台の電気自動車の走行距離を全て加えると、約8億4100万kmとなり、地球を2万周する、または地球から月まで1000往復以上できる距離だ。

 ガソリン車と比較すると5300万リットルの燃料を節約でき、車が走行中に排出する二酸化炭素1億2400万kgを削減できたことに相当する。火力発電所はガソリン車のエンジンよりも効率が高いため、例え電気自動車が火力発電所に由来する電力を充電して走行したとしても、総合的に見て二酸化炭素の排出量は減少している(関連記事「電気自動車はガソリン車より石油消費量が多いのか? 」)。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.