被災地の東松島市でメガソーラーが稼働、「ネット・ゼロ・エネルギー・シティ」へ前進スマートシティ

東日本大震災で甚大な被害を受けた宮城県の東松島市は、電力自給率100%の「ネット・ゼロ・エネルギー・シティ」を目標に再生可能エネルギーの導入を進めている。津波で浸水した地域では初めてのメガソーラーを建設して、8月21日に運転を開始した。

» 2013年08月29日 07時00分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]

 太平洋に面した宮城県の東松島市の中で、海に囲まれた景勝地の奥松島はひときわ津波の被害が大きかった。その中心部にある広大な公園の跡地にメガソーラーを建設するプロジェクトが『奥松島「絆」ソーラーパーク』である(図1)。復興のシンボルにもなるメガソーラーが、当初の計画よりも1カ月以上早い8月21日に運転を開始した。

図1 奥松島「絆」ソーラーパークの建設地(左側にある明るい青色の四角形と五角形の部分)。出典:東松島市復興政策課

 東松島市は復興にあたって、地域内のエネルギー消費量を実質ゼロにする「ネット・ゼロ・エネルギー・シティ」を目標に掲げている。太陽光・風力・バイオマスの3種類の再生可能エネルギーを拡大して、化石燃料に依存しない自立分散型のエネルギー供給体制を構築する壮大な構想だ。その大きな一歩が、奥松島の「絆」ソーラーパークである。

 4万7000平方メートルの敷地に、1万4616枚の太陽光パネルを設置した(図2)。発電能力は2MW(メガワット)で、年間の発電量は210万kWhを見込んでいる。一般家庭で600世帯分の電力使用量に相当する。運転を開始した時点では発電設備だけの状態だが、今後は周辺に植樹を施すなど、景勝地にふさわしい施設に仕上げる予定だ。

図2 奥松島「絆」ソーラーパークの全景(画像をクリックすると拡大)。出典:京セラ

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