発電量が日本の1.5倍、サウジアラビアで駐車場の屋根にメガソーラー自然エネルギー

サウジアラビア国営の石油会社がオフィスに隣接する駐車場の屋根に設置した大規模な太陽光発電設備がある。稼働から6カ月間の発電量が日本の標準を1.5倍も上回った。平均日照時間が12時間もある中東ならではの利点を生かした導入事例だ。

» 2013年08月30日 09時00分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]

 世界中で消費される石油の約10%を供給しているのがサウジアラビア国営の「サウジアラムコ(Saudi Aramco)」である。石油産業の中心になるダーラン市に建設した複合オフィス施設「アルミドラ・コンプレックス(Al-Midra Complex)」で、2012年1月から大規模な太陽光発電に取り組んでいる(図1)。

図1 サウジアラムコの複合オフィス施設「アルミドラ・コンプレックス」。出典:サウジアラムコ

 オフィスに隣接する駐車場の屋根に太陽光パネルを設置したものだが、その規模は驚くほど大きい。16万平方メートルの敷地に4450台分の駐車スペースがあって、太陽光を遮る屋根で覆われている(図2)。屋根に設置した太陽光パネルは12万枚を超え、発電能力は10.5MW(メガワット)に達する。

図2 太陽光パネルを設置した駐車場。出典:ソーラーフロンティア

 さらに驚くのは発電量の多さだ。太陽光パネルを供給したソーラーフロンティアによると、稼働から6カ月間で850万kWhを記録した。発電効率を示す設備利用率を計算すると、実に18%以上になる。日本では太陽光発電の設備利用率は約12%が標準であることから、1.5倍の発電量を実現している。

 サウジアラビアは北緯23度の北回帰線の直下にあって、1日あたりの日照時間が平均12時間にも及ぶ。日本では5時間程度しかなく、その差は2倍以上もある。ただし太陽光パネルの発電量は気温が高くなると低下するため、効果が相殺されて1.5倍程度になったと考えられる。いずれにしても太陽光発電に適した地域であることは間違いなく、今後は急速に導入事例が拡大していく見通しだ。

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