IEA(国際エネルギー機関)が発表した市場予測によると、2013年以降も世界各国で再生可能エネルギーの拡大が続き、2018年には全世界の電力の25%を占める見通しだ。2016年までにはガス火力の発電量を上回り、原子力発電の2倍の規模になると予測している。
世界のエネルギー供給の安定化を図るIEA(国際エネルギー機関)が再生可能エネルギーの市場予測を発表した。水力を含む再生可能エネルギーの発電量が2018年には2012年の1.4倍に拡大する見通しだ(図1)。特に大きく伸びるのは風力と太陽光で、風力は6年間で2.3倍、太陽光は3.7倍に増加する。
火力や原子力を加えた電力市場全体で見ても、再生可能エネルギーの比率は2011年の時点で20%まで上昇しており、さらに2018年には25%まで拡大すると予測している。この過程で2016年までにガス火力の発電量を抜いて、石炭火力に次ぐ第2位の電力源になる。一方で減少が見込まれる原子力発電は再生可能エネルギーの半分の規模に縮小する。
再生可能エネルギーの発電規模を設備容量で比較すると、最も大きいのは水力で、2012年に1102GW(ギガワット)に達した(図2)。ただし水力発電の設備容量は2012年から2018年の6年間で20%しか伸びない。ちなみに日本の水力発電は10電力会社の設備容量を合計すると3500万kW(35GW)になり、全世界の約3%を占める。
一方、水力に次いで2番目の規模がある風力発電の設備容量は、2018年までの6年間に98%も増加する。大半は陸上の風力で、洋上の風力が拡大するのは2020年代に入ってからになりそうだ。
設備容量の点でも今後の伸びが最も大きいのは太陽光(Solar PV)だが、それでも2018年の時点では風力の規模に遠く及ばない。このほかにバイオマス(Bioenergy)も着実に拡大していく。地熱(Geothermal)は意外に規模が小さく、今後もさほど伸びない予測だ。
IEAは2013年の第1四半期(1−3月)における発電コストの調査結果もまとめている(図3)。大規模な発電設備では洋上風力のコストが最も高く、次いで太陽熱、太陽光、バイオマス、地熱、陸上風力の順になる。この発電コストの低さが陸上風力の増加要因とみてよい。ただし石炭やガスコンバインドサイクル(CCGT)と比べれば、まだ高めである。
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