米国で伸びる太陽光と風力、4カ月で1.8GW電力供給サービス

米国は発電所の新規・増設導入量に関する統計資料を毎月発表している。2013年1月〜4月の結果を見ると、増加分に対する太陽光や風力など再生可能エネルギーが占める割合が5割を超え、55%に達した。前年同期の37%から大きく比率を伸ばしている。

» 2013年05月22日 11時00分 公開
[畑陽一郎,スマートジャパン]

 米国連邦エネルギー規制委員会(FERC:Federal Energy Regulatory Commission)は2013年5月、米国における燃料別の発電所の統計を公表した*1)

*1) 公表した資料は、Energy Infrastructure Update for April 2013。FERCは毎月同様の資料を発表している。

 FERCによれば、2013年1月から2013年4月にかけて新設・増設した発電施設は110カ所(図1)*2)。最も多いのが太陽光(56カ所)、次いでバイオマス(30カ所)、天然ガス(10カ所)だった。

*2) 図1、図2の縦軸は順に石炭火力、天然ガス火力、原子力、石油火力、水力、風力、バイオマス、地熱、太陽光(太陽熱)、廃熱、その他を示している。

図1 運転を開始した発電所の種類。赤わく部分が再生可能エネルギー。出典:FERCが公開した資料を編集

 出力別では天然ガス(1565MW)が首位であり、次いで風力(958MW)、太陽光(845MW)だった。同期間の出力の増加分3487MWのうち再生可能エネルギーが占める比率は55%に上った。再生可能エネルギーと天然ガスで支えた形である。

 前年同時期(2012年1月〜4月)では新設・増設した5876MWのうち、37%を再生可能エネルギーが占めている。米国の全発電出力1162.26GWに占める再生可能エネルギーの比率は16%とまだ少ない(図2)。

 天然ガスと石炭火力が7割を占める現状から、再生可能エネルギーが一翼を担う構成に変化していることが分かる。

図2 既存の発電所の種類。赤わく部分が再生可能エネルギー。出典:FERCが公開した資料を編集

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