木質チップを利用したバイオマス発電、2016年に三重で出力6MWを目指す自然エネルギー

発電関連のメンテナンスに強みがある中部プラントサービスは発電事業に参入し、木質バイオマス発電所を立ち上げる。燃料供給や土地の都合から三重県多気町を選んだ。

» 2013年10月01日 07時00分 公開
[畑陽一郎,スマートジャパン]
図1 三重県多気町と発電所の位置

 中部プラントサービスは2016年の発電開始を目指して発電事業に参入する。木質チップを利用した木質バイオマス発電所を計画、三重県の中央部に位置する多気町に立地を申し入れた。

 同社は名古屋市に本社を置き、発電関連のメンテナンスに強みがあるメーカー。火力発電や石油化学プラント、自家発電設備などを対象とするメンテナンス事業を手掛けてきた。

 今後は固定価格買取制度(FIT)を利用した売電を進めるのと同時に、森林事業の活性化や放置間伐材の削減によって、流木被害の防止など防災に役立つ事業を目指す。

 バイオマス発電は他の再生可能エネルギーとは異なり、発電所に燃料が必要であり、燃料調達がうまくいくかどうかが事業の成否を左右する(関連記事)。「今回の計画では、木質チップを専門に取り扱う三重県のウッドピア木質バイオマス利用協同組合から供給を受ける」(中部プラントサービス)。供給量は年間約6万トン。

 多気町が開発中の工業団地「多気クリスタルタウン工業ゾーン」への立地を予定する。多気町との協議が進めば、2014年秋に建設計画の詳細を決定し、同年内に着工、2016年の発電開始を目指す。

 土地購入と発電所建設に約24億円を投じ、出力約6MWの発電所を立ち上げる。想定年間発電量は約4100万kWh、全量をFITによって中部電力に売電し、年間で約10億円の売電収入を見込む。

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