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» 2013年10月21日 09時00分 UPDATE

電力供給サービス:火力発電を石油・石炭から天然ガスへ、北海道・石狩湾で建設計画が進む

北海道電力が2019年の運転開始を目指す「石狩湾新港発電所」の建設計画が順調に進んでいる。工事開始までに必要な3段階の環境影響評価プロセスのうち、第2段階が最終手続きに入った。北海道で初めて天然ガスを使った火力発電所で、高効率の発電設備3基を導入する計画だ。

[石田雅也,スマートジャパン]
hokuden1_sj.jpg 図1 「石狩湾新港発電所」の建設計画区域。出典:北海道電力

 「石狩湾新港発電所」の建設予定地は北海道の日本海側にあって、LNG(液化天然ガス)の供給基地が隣接している。道内の電力需要の4割を占める札幌市の経済圏からも近い(図1)。北海道電力にとっては初めての天然ガスを使った火力発電所になる。

 計画では最新鋭のガスコンバインドサイクル方式による発電設備3基を設置する。さらにLNG基地との間を結ぶガス導管や、発電設備の冷却に使う海水の放水路を海底に建設する予定だ(図2)。

hokuden2_sj.jpg 図2 建設計画区域の全景(赤い線で囲った区域のうち、上部はLNG基地からのガス導管、左側は冷却用の放水口)。出典:北海道電力

 ガスコンバインドサイクル方式は従来の石油・石炭火力と比べて約1.5倍の発電効率を発揮することができる。石狩湾新港発電所に導入する設備は1基あたり57万kWの発電能力になる(図3)。3基を合わせると171万kWになり、原子力の泊発電所を除いて北海道で最大の「苫東厚真発電所」(石炭火力、165万kW)を上回る。

hokuden3_sj.jpg 図3 発電設備の概要。出典:北海道電力

 北海道で稼働中の火力発電所は運転開始から40年以上を経過している設備が多く、冬の需要が増加する時期にトラブルが発生すると影響が大きい。天然ガスを燃料に使った発電設備は高効率で安定して稼働できることに加えて、有害物質の排出量も少なくなる(図4)。コストと環境の両面で大きな効果をもたらす。

hokuden4_sj.jpg 図4 コンバインドサイクル方式の発電設備。ガスタービンと蒸気タービンを使って2段階で発電する(画像をクリックすると拡大)。出典:北海道電力

 ただし大規模な火力発電所を新設する場合には、工事を開始する前に国や自治体との間で3段階に及ぶ「環境影響評価」のプロセスを実施する必要がある。北海道電力は第2段階の「準備書」を10月17日から公開して、地元の意見を集約し始めた。それをもとに第3段階の「評価書」を経済産業大臣に提出して、審査が通れば工事を開始できる。

 3基のうち1号機の工事を1年後の2014年10月に開始して、運転開始は2019年2月の予定だ。2号機は2021年12月、3号機は2028年12月に運転を開始する見通しだが、原子力発電の今後の状況などで稼働時期を早める可能性もある。

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