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» 2013年11月06日 12時45分 UPDATE

電力供給サービス:出力7万kW級のガス火力発電所、新電力が新潟県に新設

特定規模電力事業者(新電力)の1社である日本テクノは新潟県上越市に天然ガスを用いる火力発電所を建設すると発表した。川崎重工業の高効率ガスエンジンを10基設置し、フレキシブルな電力供給を目指す。

[畑陽一郎,スマートジャパン]
yh20131106Ntech_map_250px.jpg 図1 新潟県上越市の位置

 特定規模電力事業者(PPS:Power Producer and Supplier)として活動する日本テクノは、新潟県上越市に天然ガスを用いる7万kW級のガスエンジン発電所「日本テクノ上越グリーンパワー(仮称)」を建設すると発表した(図1)。100億円弱を投資、2015年春季の運転開始を目指している。川崎重工業が日本テクノから発電所の建設工事一式をフルターンキー方式で請け負い、発電所の設計、発電機器の供給と据付、土木建築を進める。

 「顧客に対する電力の安定供給を実現するために発電所を強化する。電力供給に一般電気事業者(大手電力会社)も新電力も違いはないと考えている。上越を選択した理由は、送電網の確保を第一に考えた際に浮かび上がってきたこと、燃料の調達がスムーズに進むことからだ」(日本テクノ)。

 同社は電力設備保安管理、省エネ支援サービスを提供しており、このような顧客に対して、2009年に東京電力管内で接続供給*1)を開始、現在では実質的に自由化されている7つの電力会社のエリアで約8000件の需要家に対して電力を供給している。

川崎重工業のエンジンを採用

 同社が自社発電所を建設するのは、2012年8月に運転を開始した日本テクノ袖ケ浦グリーンパワー(出力11万kW、図2)に次ぐ、2カ所目(関連記事)。

yh20131106Ntech_sodegaura_590px.jpg 図2 千葉県に立地する日本テクノ袖ケ浦グリーンパワー。出典:日本テクノ

 採用する発電機は川崎重工業が製造する「カワサキグリーンガスエンジン」のうち、KG-18-Vと呼ばれるタイプ(図3)。出力7800kWのエンジンを10基導入する。49.5%という発電効率の高さは、川崎重工業によれば世界最高クラスであるという。

 日本テクノが同エンジンを選択した理由は複数ある。袖ケ浦で同型のエンジンを14基運転しており、環境性能、機動性、発電効率、利便性が高いことを確認しているという。

yh20131106Ntech_engine_587px.jpg 図3 袖ケ浦に導入されたカワサキグリーンガスエンジン。1基の全長は約13m、重量は133トン。出典:日本テクノ

 環境性能とは窒素酸化物(NOx)の排出量が少ないことを指す。酸素濃度0%換算でNOxの排出濃度が200ppm以下であり、全国のほとんどの地域で脱硝装置が不要になるという。機動性とは起動指令から10分以内に定格負荷に到達可能であることの他、運転範囲が30〜100%と広く、部分負荷でも発電性能が高いことをいう。毎日の起動発停はもちろん、電力の需要に応じて追従しやすい。

 利便性には2つの異なる意味がある。まず、大気による出力の影響が極めて小さい。夏季でも出力や効率の低下が少なくなる。もう1つは複数台を導入することで定期的な順次メンテナンスがしやすくなり、効率的な運用で、発電所運営がフレキシブルになり、リスクを下げられることだ。

*1) 接続供給とは一般電気事業者(10電力会社)が特定規模電気事業者(PPS)から電気を受電し、維持・運用する供給設備を介して、受電した電気の量に相当する量の電気をPPSの顧客である特定規模需要者に託送することをいう。需要の変動によって電気が不足した場合には、一般電気事業者が不足分の電気の補給も行う。

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