2015年度に再生エネで1.46億kWhを目指す出光、太陽光はまず門司から自然エネルギー

出光興産は石油を中心に据えながらもさまざまな再生可能エネルギー利用を拡大している。地熱、風力、バイオマス、そして太陽光だ。2013年11月には北九州市門司区に建設した最初のメガソーラーの運転を開始した。

» 2013年11月08日 15時30分 公開
[畑陽一郎,スマートジャパン]
図1 北九州市門司区と発電所の位置

 出光興産は2013年11月、同社初のメガソーラー「門司発電所」(出力2.9MW、北九州市門司区新門司)の運転を開始した(図1)。

 「当社は石油を中核に据えたエネルギー関連企業だが、これまで地熱を中心に再生可能エネルギーも開拓している。2013年度からは太陽光発電事業にも着手しており、遊休地活用を軸に自社発電所を広げていく」(出光興産)。同社の中期経営計画では2012年度に9000万kWhだった再生可能エネルギーによる発電量を2015年度には約1.6倍の1億4600万kWhに拡大することを打ち出している(図2)。

 最初に事業化したのは1996年から運転開始した「出光大分地熱」(蒸気供給)。次いで40%を出資した「二又風力開発」(出力51MW)だ。第2のメガソーラーの建設も始まっている。2014年3月に自社遊休地(兵庫製油所跡地)を利用した「出光・姫路発電所」(出力10MW)の運転を開始する予定だ。2015年4月には50%を出資したバイオマス発電所「土佐グリーンパワー」(出力5MW)も動き出す。全ての出力を合計すると68.9MWに及ぶ。

図2 2013年3月に発表した第4次中期経営計画(2013〜2015年度)より。出典:出光興産

油槽所の敷地を利用

 門司発電所は、もともと門司油槽所を置いていた敷地を利用した太陽光発電所だ(図3)。門司油槽所は油槽機能を停止した後もLPG基地や潤滑油の貯蔵・配送に使う門司ルブセンターとして使われていたが、一部の土地が遊休地として利用されていなかった。今回はこの遊休地(10万4000m2)を再生させた形だ。

 設計・調達・建設(EPC)を富士電機に依頼、2013年5月に工事に着手したもの。今後は固定価格買取制度(FIT)を利用して20年間、九州電力に100%売電する。「2.9MWという出力は、系統に出力する最大電力であり、実際にはこの1.5倍程度の容量の太陽電池を設置した」(出光興産)。想定年間発電量は約400万kWh、1kWh当たりの売電価格は42円(税込)。

図3 出力2.9MWのメガソーラー「門司発電所」。出典:出光興産

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