LED照明を大量導入したイトーヨーカ堂、電気料金4割削減への道とはLED照明

イトーヨーカ堂が直管形LED照明に求めた要求は電源が外付けであることと、調光対応だった。OPTILEDは要求に応える製品を開発し、4万本の納入につながった。

» 2013年12月19日 15時45分 公開
[畑陽一郎,スマートジャパン]

 「311」後の電気料金値上げは、家庭や企業にダメージを与えている。小売業も同じだ。イトーヨーカ堂は、電気料金値上げに対抗するため、2012年6月から、全国181店舗のうち約160店舗でLED照明への切り替え工事を実施した。

 最大の目標は照明の消費電力を40%以上削減すること。LED照明に必要な消費電力が蛍光灯よりも低いことに加えて、発熱量が小さいことから空調負荷の削減も求めた。売り場の蛍光灯をはじめ、スポット照明やバックヤード向けなどさまざまな照明をLEDに置き換えている。

 複数の企業がLED照明をイトーヨーカ堂に納入。そのうちの1社がOPTILEDだ。全国の複数の店舗を対象に、直管形LEDランプを約4万本取り付けた。蛍光灯器具の安定器の工事とランプの取り付けである。

電源外付けと調光対応が必要

 直管形LED照明に対するイトーヨーカ堂側の要求項目は、大きく2点あったという。電源が外付けであることと、調光対応である。イトーヨーカ堂は既存の器具を生かしつつ、直管形LEDを導入しようとした。電源が外付けでない場合、ランプの重さや太さのために既存の器具と合わない可能性があることが理由だ。この他、電源内蔵型に対して、当初は発熱の点で不安があったという。

 調光対応が必要だった理由はこうだ。イトーヨーカ堂は従来、蛍光灯の調光機能を生かし、必要に応じて消費電力を調整しており、LED照明でも同じ効果を求めた。「当社はこのような製品を用意しておらず、イトーヨーカ堂側の要求に合わせて製品を短期間で開発したため、納入につながったと考えている」(OPTILED)。

 納入した直管形LEDランプは、同社の「REALTUBE」。20形相当(長さ580mm)の他、40形相当(同1198mm)、110形相当(同2367mm)の複数の製品である。20形相当と40形相当はG13口金品であり、そのまま蛍光灯の器具に装着できる。110形相当の一部の製品以外は、片側給電タイプだ。

図1 イトーヨーカドー綾瀬店。出典:OPTILED

 図1に納入先のイトーヨーカドー綾瀬店(東京都足立区)の外観と店内の様子を示す。同店の総務担当マネージャーである相川由喜男氏からは、以下のようなコメントを受け取ったという。「明るくなり、以前は光が届かず見えにくかった壁面付近のポップや看板の文字がはっきりと見えるようになった」「既存の蛍光灯は、よく寿命により消灯するが、天上が高く取り替え作業が大変であった。長寿命のLEDに切り替えたことで、取り替え作業頻度の軽減を期待している」「バックルームも明るくなり、作業する際に目の疲れを感じなくなった」。

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