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» 2014年04月25日 13時00分 UPDATE

自然エネルギー:福井県は原子力だけではない、木質バイオマスで1万世帯分の電力

沿岸部には原子力発電所が集まる福井県だが、山間部では小水力やバイオマスなどの再生可能エネルギーが広がりつつある。林業が盛んな大野市で県産の木質バイオマスを活用する発電プロジェクトが動き出した。年間に7万トン以上の未利用材を燃料にして1万世帯分の電力を供給する。

[石田雅也,スマートジャパン]

 福井県内には針葉樹と広葉樹を合わせて2400万トンの森林資源がある。このうち伐採したものの利用しないまま放置される林地残材の量は7万5000トンにものぼる。未利用の木質バイオマスを県内から集めて発電するプロジェクトが東部の大野市で始まった(図1)。

ohno_biomas_sj.jpg 図1 大野市の所在地と風景。出典:大野市企画総務部

 県内の森林組合が中心になって年間に7〜8万トンの間伐材や一般木材を発電用に供給する。発電能力が6MW(メガワット)級の設備を導入して、そのうち約5MW分を電力会社に売電する計画である。年間の売電量は一般家庭の使用量に換算して約1万世帯分になり、売電収入は10億円を超える見通しだ。

 神戸製鋼グループの神鋼環境ソリューションが発電設備の建設を担当して、2年後の2016年度に運転を開始する予定である。発電事業は同社が出資する特定目的会社の「福井グリーンパワー」が運営する。総事業費は約40億円を見込んでいる。燃料に利用する木質バイオマスの購入費を加えても、固定価格買取制度による売電収入で20年以内に採算がとれる想定だ。

 導入する発電設備は「流動床式ガス化燃焼炉」と呼ぶ方式で、ごみの焼却用に数多く使われている。焼却物が発生する熱を利用してガスを発生させることができ、1200度以上の高温状態を維持して効率よく発電できる特徴がある。

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