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» 2014年04月25日 14時00分 UPDATE

自然エネルギー:牧場跡地で町の全電力を、熊本に21.5MWの太陽光

大林組グループが熊本県内最大のメガソーラー「芦北太陽光発電所」を2014年4月に立ち上げた。初期費用65億円を投じて、年間想定発電量2292万kWhを得る形だ。

[畑陽一郎,スマートジャパン]
yh20140425Kumamoto_map_250px.jpg 図1 熊本県芦北町と発電所の位置

 熊本県内最大のメガソーラーが2014年4月に完成した。県南部に立地する「芦北太陽光発電所」(芦北町高岡)である(図1、図2)。県内で発電を開始したメガソーラーとしては38件目(関連記事)。

 発電所の直流出力は21.5MWであり、九州全体でも五指に入る規模だ。想定年間発電量は2292万kWh。これは芦北町の世帯数とほぼ等しい6370世帯の年間消費電力を全てまかなう規模だ。発電所の面積は、町の総面積の710分の1である。発電した電力は固定価格買取制度(FIT)を利用して、全量を20年間九州電力に売電する。

yh20140425Kumamoto_MS_590px.jpg 図2 芦北太陽光発電所の全景 出典:大林組

 熊本県は早くも2009年に「くまもとソーラープロジェクト」を立ち上げている。太陽光発電システム関連産業を県の主要産業の1つに育てていくための計画だ。2011年11月には熊本県が芦北町内の候補地を2カ所公開*1)、2012年7月には大林組と芦北町の松下組の連合体がプロジェクトの事業者に選定されている。大林組は再生可能エネルギーによる発電と電気の供給、販売を目的とする大林クリーンエナジーを同月に設立た。

*1) 芦北町には芦北太陽光発電所の他、沿岸部に出力8MWのメガソーラーが建設中である(関連記事)。

条件を精査して規模を拡大

 当初の計画は、芦北町の矢城(やじろ)牧場跡地(24.8ha)を町から借り受け、出力15MWの発電所を作るというものだった。その後、現地の条件を詳細に調査したところ、県や町の見積もりよりも規模を拡大できることが判明。32.9ha(32万8764m2)の土地で、25.1MWという現在の最終案が固まった。面積が1.3倍に、発電量は1.6倍になり、より効率的な発電が可能になったことになる。

 新しい計画に基づいて2012年11月に着工、同時に芦北太陽光発電所の管理運営のため、大林組が特定目的会社(SPC)としてOCE芦北メガソーラーを設立している。2013年3月には1期工事(約0.6MW)を完成。

 同年5月には大林クリーンエナジーがOCE芦北メガソーラーを通じて、発電所の建設に必要な資金を得るためのプロジェクトファイナンス契約を7つの金融機関*2)と締結。初期事業費65億円の大半を占める約63億円を調達できる見込みが立った(図3)。

 芦北太陽光発電所の設計・調達・建設(EPC)では九電工と松下組が参加、両社は管理・運営(O&M)にも取り組む。

*2) 三菱東京UFJ銀行(主幹事)と西日本シティ銀行、日本生命保険、百五銀行、佐賀銀行、肥後銀行、熊本中央信用金庫。

yh20140425Kumamoto_scheme_450px.jpg 図3 芦北太陽光発電所に関係する企業と自治体の関係 出典:大林組

 大林組は2013年末までに計画が確定したものを含め100MWの太陽光発電所を立ち上げる目標を打ち出していた(関連記事)。芦北太陽光発電所が完成し、「新たな目標120MWを目指して事業化を進めていく」(同社)。

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