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» 2014年05月22日 13時00分 UPDATE

電力供給サービス:夏の需要増加を見込む関西電力、原子力の減少も火力や他社調達で補う

今夏の電力需給が最も厳しいとされているのは関西と九州だ。特に関西では昨夏に稼働した原子力の236万kWが見込めない。火力発電所の設備更新計画を前倒しするほか、他社からの調達量を大幅に増やす。それでも供給力の予備率は電力不足の心配がある3.0%まで低下すると予測している。

[石田雅也,スマートジャパン]

 関西電力が想定する今夏の最大電力は2873万kWである(図1)。昨夏の実績と比べて28万kWの増加を見込んでいる。家庭や企業による節電対策の効果は昨夏に324万kWあったのに対して、今夏は263万kWにとどまると予測したことが大きな要因だ。ただし約2000件のアンケート結果をもとに節電の実施率を8割強と想定したためで、現実的な予測とは言いがたい。

kansai_2014summer1_sj.jpg 図1 2014年夏の最大電力の想定(画像をクリックすると拡大)。出典:関西電力

 電力会社による需要の想定が実態を上回ることは、過去2年間の結果を見れば明らかである。とはいえ需要を過大に見込んだうえで、十分な供給力を準備することは電力会社の責務でもある。関西電力は需要の増加に見合うだけの供給力を確保する。しかも昨夏には稼働していた大飯発電所の236万kWを見込まない前提だ。

 需要が最大になる見通しの8月に予備率を3.0%以上に維持するためには、供給力を2960万kWまで増やす必要がある。原子力がなくなる分は火力の増加と他社からの調達でカバーする計画だ(図2)。

kansai_2014summer2_sj.jpg 図2 供給力の内訳(8月、原子力の再稼働がない場合)。出典:関西電力

 火力は昨夏と比べて155万kWも増やす。震災前の2010年から設備更新の工事を進めてきた「姫路第二発電所」の運転計画を前倒しして、試運転中の2基を供給力に組み込む。通常は営業運転を開始してから供給力に加えるが、今夏は異例の対応をとる。

 さらに他の電力会社や新電力からの調達量を最大で704万kWまで拡大することも想定している。これは供給力全体の24%に相当する。昨夏も供給力の20%を他社に依存したが、今夏はそれを上回る高い依存率になる。

 それでも企業や家庭の節電対策が昨夏と同様に実施されれば、実際の最大電力は関西電力の想定から81万kW低くなる。さらに気温が平年並みであれば79万kW減る見通しだ。合計すると160万kWになり、想定通りに2960万kWの供給力を確保すれば、予備率は3.0%から9.1%へ上昇する。

 今年の夏も昨年並みの節電対策で十分に乗り切ることができる。電力不足の心配は不要だろう。

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