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» 2014年06月11日 11時00分 UPDATE

電気自動車:商用車に「リーフ」の技術を盛り込み、走る蓄電池をうたう (1/2)

日産自動車は全世界で11万5000台を販売した「リーフ」に次いで、2車種目の電気自動車「e-NV200」を発表した。バッテリー、モーターともリーフとほぼ同じでありながら、商用車らしい性能を求めた車だ。2014年10月に発売する。

[畑陽一郎,スマートジャパン]

 「人・モノ・電気を運ぶ」。日産自動車が同社初の商用電気自動車「e-NV200」(図1、図2)を2014年6月9日発表した際の表現だ。グレードなどによって異なるものの、最大7人が乗車できる。ベースとなった多目的商用バン「NV200バネット」と荷室の容量は同等だ。さらに交流100Vのコンセントを車内2カ所に備える。

 2014年10月から全国で発売する。バンタイプは2グレード(VX、GX)あり、どちらのグレードでも荷室に窓のないルートバンの他、2人乗り、5人乗りを選択できる。ワゴンタイプはGグレードのみ。5人乗りか7人乗りだ。

 価格はバンタイプが388万440円(税込、以下同じ)〜407万8080円、ワゴンタイプが462万4560円と478万6560円である*1)

*1) 全グレードともエコカー減税対象であり、重量税、取得税が免税となり、自動車税も一定期間75%軽減される。加えて最大85万円の「クリーンエネルギー自動車等導入促進対策費補助金」を受給できる。

yh20140611Nissan_outside_590px.jpg 図1 商用電気自動車「e-NV200」(ワゴンGグレード) 全長4560mm、全幅1755mm、全高1850mm 出典:日産自動車
yh20140611Nissan_inpane_590px.jpg 図2 インストルメントパネルの外観(ワゴンGグレード) 新開発のシフトノブはリーフよりもNV200バネットのものに似ている 出典:日産自動車

ゼロエミッションだけではない

 同社はe-NV200の特徴を3つ挙げている。「ゼロエミッション」「走る蓄電池」「ストレスフリー」だ。

 ゼロエミッションとは走行時に二酸化炭素(CO2)を排出しないこと。満充電に要する電気料金は約300円であり、ガソリン車よりもランニングコストが低い。走行時の騒音も少なく、早朝や夜間の配送などにも適する。環境に貢献する車として採用企業のイメージアップにつながる性質だ。

 e-NV200の航続距離は満充電時に185〜190km(JC08モード)。「リチウムイオン蓄電池(バッテリー)の容量は最新型のリーフと同じ24kWhであり、内部のモジュールの数も変わらない(図3)。モーターも最新型のリーフと同じEM57だ」(日産自動車)*2)。リーフの航続距離(228km)よりも短いのは車体がリーフ(1430〜1460kg)よりも重い(1510〜1660kg)ためだ。

*2) e-NV200のバッテリーパックのサイズはリーフと比較して約5%小さくなり、重量も約8kg軽くなっている。

yh20140611Nissan_batterypack_590px.jpg 図3 e-NV200のバッテリーパックの外観 出典:日産自動車

 少しでも航続距離を伸ばすため、e-NV200では新型の回生ブレーキを採用した。「電気ブレーキを使っているリーフとは違い、油圧式制御ブレーキを用いた。ブレーキの踏み込みの強さに応じて回生が強く働く。ただし、止まる直前など一定の領域では無効にしている」(同社)*3)。この他、アクセルの過度な踏み込みを防ぐために、ある程度踏み込んでいくと、踏み込みにある程度の力を要するような位置を1カ所設定した。同社はこれをクリック感と呼んでいる。加えて、バッテリー残量警告灯が点灯した後に、最高速度を100km/hに抑えるエナジーセーブモードも備えた。

*3) 回生ブレーキの動作によってブレーキ感覚が損なわれることを防ぐために、ペダルフィールシミュレータを搭載してブレーキ感覚を維持したという。

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