物流施設は太陽光向き、7棟の屋根に2.5MW自然エネルギー

オリックスは2014年7月、三菱化学物流の倉庫7棟の屋根を賃借し、出力2.5MWの太陽光発電所の運転を開始したと発表した。同社は全国148カ所で、屋根を利用した太陽光発電を計画しており、合計出力は68.9MWに達する。

» 2014年07月22日 13時00分 公開
[畑陽一郎,スマートジャパン]
図1 茨城県神栖町と倉庫の位置

 鹿島灘を望む鹿島臨海工業地帯は150社以上が集まる茨城県最大の工業地帯だ。鹿島港を中心に大小の製造業が立地している。三菱化学物流の鹿島物流センター(茨城県神栖市奥野谷、3万765m2)はこの工業地帯に位置する(図1)。

 物流倉庫の平屋根が太陽光発電システムの設置に向き、再生可能エネルギーの普及促進による環境配慮につながることから、同社はオリックスに倉庫7棟の屋根を貸すことになった。

 オリックスは企業や自治体などが保有する大型施設の屋根を活用する「屋根設置型太陽光発電事業」を進めており、倉庫7棟を利用した太陽光発電所の建設を2013年12月に開始、2014年7月に運転を開始した(図2)。

図2 倉庫の平屋根に設置した発電設備 出典:オリックス

 発電所の規模は直流出力2.518MW。太陽電池モジュール(出力245W)を1万276枚設置した形だ。倉庫の屋根面積は敷地面積にほぼ等しい。年間発電量は262万3890kWhを予定し、これは一般家庭730世帯分に相当するという。発電した電力は固定価格買取制度(FIT)を利用して、全量を20年間、東京電力に売電する。

 オリックスは2014年4月に自社が手掛ける太陽光発電事業の状況を発表している。2014年3月期末(2014年3月末)時点において、全国214カ所、合計出力425.1MWの開発に着手していた。そのうち、今回の取り組みを含む「屋根設置型太陽光発電事業」は148カ所、合計出力68.9MWを占め、2014年3月末時点で50カ所、合計出力25.4MW分の発電を開始していた。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.