冷蔵庫の上に置きやすい、800Wで80分使える家庭用蓄電池蓄電・発電機器(1/2 ページ)

日立マクセルは2014年8月、家庭用蓄電池「エナジーステーション タイプC」(容量1.4kWh)の受注を開始する。最小・最軽量の蓄電池であることをうたい、屋内しか設置場所がないユーザーに訴求する。小さいながらも、UPS機能を備え、太陽光発電システムなどと連携できる。

» 2014年08月12日 11時00分 公開
[畑陽一郎,スマートジャパン]

 集合住宅や既築住宅、寒冷地には家庭用の大容量蓄電池を設置しにくい。屋外に設置スペースが用意できない場合が多いからだ。それならば蓄電池自体を小型軽量化して、冷蔵庫の上などに設置できないか。これが日立マクセルの発想だ。

 同社が2014年8月18日に受注を開始する「エナジーステーション タイプC」(容量1.4kWh、図1)の寸法は、幅650mm、高さ130mm、奥行き380mmであり、一般的な冷蔵庫の上に設置しやすい*1)。同社は「家電と通信が可能なECHONET Liteに対応したリチウムイオン蓄電池では世界最小・最軽量」だと主張する。冷蔵庫の上に直接設置せず、冷蔵庫の上部空間を利用できる棚も用意した(図2)。

 最大800Wの電力を1時間20分供給できる*2)。停電を自動検知して蓄電池出力に切り替える機能を備えており、切り替えに必要な時間も短い。0.01秒以下だ。無停電電源装置(UPS)として利用できる*3)

*1) 例えばパナソニックの冷蔵庫「NR-F518XG」(505L)の最上部の寸法は685mm×692mm、日立製作所の「R-S4200D」(415L)は600mm×664mm、三菱電機の「MR-JX53X」(525L)は650mm×699mm。
*2) 満充電に要する時間は6時間以内。
*3) 後ほど紹介するESコントローラーのHEMS機能を使って蓄電池を制御していたとしても、「UPS機能が最優先で起動する」(日立マクセル)。

図1 家庭用リチウムイオン蓄電池「エナジーステーション タイプC」 出典:日立マクセル
図2 棚を利用して設置したイメージ 出典:日立マクセル

太陽光発電とも連携できる

 エナジーステーション タイプCは切替盤を経由して分電盤と接続することで利用できる。図3では太陽光発電システムが備わっていない場合や、蓄電池に充電しない場合の使い方を示した。通常時は系統電力から分電盤と切替盤を経由して蓄電池に電気が流れていき(紫色)、蓄電池から機器へ電気を供給する(赤)。停電時は赤で示した流れだけになる。

図3 蓄電池と宅内配線の接続例。通常時(左)と停電時の様子を示した(クリックで拡大) 出典:日立マクセル

 太陽光発電システムと連携した場合は図4のようになる。通常時は太陽電池から来た電気も使って充電し、蓄電池から家電に送る。停電時は太陽電池から直接蓄電池を充電し、夜間でも家電が使える。

図4 太陽光発電システムと連携した使い方(クリックで拡大) 出典:日立マクセル
       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.