伊勢湾岸には木曽岬と伊勢市のあいだに、四日市市から津市にかけて工業地帯が連なる。この一帯でもメガソーラーが続々と生まれている。四日市市の石油コンビナートにある製油所の構内では、2014年7月に「楠メガソーラー発電所」が運転を開始したばかりだ(図4)。
昭和シェル石油グループが運営する2MWのメガソーラーで、石油タンクの周辺に1万4000枚を超える太陽光パネルが並ぶ。構内の施設には「エネルギー・コミュニケーション・ギャラリー」が設けられていて、地元の小学生を対象にしたエネルギー教室を開催している。
津市では三重県で最大級のメガソーラーの建設計画が始まった。沿岸部から5キロメートルほどの場所にあるゴルフ場の跡地を利用して、20万枚にのぼる太陽光パネルを設置する計画だ(図5)。全国各地に400MW以上の太陽光発電を展開中のオリックスが手がけるプロジェクトである。
発電能力は木曽岬のメガソーラーを上回って51MWになる。2016年5月に運転を開始する予定で、年間の発電量は約6000万kWhを想定している。一般家庭で1万6000世帯分の電力使用量に相当する。
急速に拡大する太陽光発電に加えて、風力発電やバイオマス発電の導入量も着実に増えている(図6)。固定価格買取制度の認定を受けた発電設備がすべて運転を開始すると、三重県内の一般家庭のうち4割以上の電力を再生可能エネルギーで供給できる状態になる。
*電子ブックレット「エネルギー列島2014年版 −中部編−」をダウンロード
2016年版(24)三重:「木質バイオマス発電が急拡大、液晶の町から歴史の地までつなぐ」
2015年版(24)三重:「大型風車65基を高原に新設、街には太陽光とバイオマス」
2013年版(24)三重:「高原一帯に90基を超える大型風車、干拓地や住宅地には巨大メガソーラー」
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.